2000 Fiscal Year Annual Research Report
オクリーザルスプリントに付与する咬合接触の違いが顎関節部粘弾性特性に及ぼす影響
Project/Area Number |
12771211
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
龍田 光弘 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (60309185)
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Keywords | 顎関節 / オクルーザルスプリント / 治療 / 顎関節症 / 咬合 |
Research Abstract |
顎機能異常患者に対する治療法の第一選択としてスプリント治療が一般的に行われているが,治療効果に対する客観的診査法による検討はほとんど行われていない.本研究では,オクルーザルスプリントを用いた顎機能異常治療が顎関節部粘弾性特性に及ぼす影響について検討することを目的として,オクルーザルスプリントに付与する咬合接触状態を変化させ,その際の顎関節部粘弾性特性の変化を観察した. 被験者は,顎機能異常を主訴として本学附属病院補綴咬合治療科を受診した顎機能異常患者とした.患者に,本研究の趣旨を説明し,同意を得られたものに対しオクルーザルスプリント治療を行った.同時に,顎関節部粘弾性測定装置を用いて顎関節部粘弾性特性(粘性値,弾性値,慣性値)の測定および評価を行った.オクルーザルスプリントは上顎全歯列被覆型スタビライゼーションスプリントとし,通法に従って製作した.オクルーザルスプリントに付与する咬合接触は両側臼歯部一歯一点以上の接触を付与した.なお,咬合接触の確認にはブラックシリコーン法を用いた.測定は,スプリント装着前,装着2週間後,4週間後,8週間後とした. 顎機能異常患者では,初診時の段階で顎関節部粘弾性特性値が健常者よりも高いものと低いものの二群に分かれた.また,これらの患者に対してスプリント治療を行った場合,治療に伴い顎関節部粘弾性特性値は変化し,治療の進行に伴い健常者のとる基準範囲に近づく傾向が認められた.同時に,患者の症状も改善される傾向があった.
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