2000 Fiscal Year Annual Research Report
鎖骨頭蓋異形成症患者のCBFA1遺伝子変異のバリエーションに関する研究
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12771220
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山近 英樹 岡山大学, 歯学部, 助手 (10294422)
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Keywords | 鎖骨頭蓋異形成症 / CBFA1 / ラントドメイン |
Research Abstract |
鎖骨頭蓋異形成症患者7名よりの全血サンプルの提供を依頼し、そのうち1名分のサンプルについてのDNAシークエンシングを終了した。尚シークエンシングにあたっては、本人および肉親らの同意を得、プライバシーの保護に万全を期した。このサンプルではゲノムDNAを抽出しPCR法によりエクソン1〜7の増幅をおこないABI377オートシークエンサーのよるDNAシークエンシングを行った。その結果をGENETYX MAC 8.0によりGene Bankに登録されたCBFA1とホモロジー検索した結果以下のことが証明された。1)エクソン3においてシトシン(C)からチミン(T)へのCBFA1ヘテロ置換を認めた。2)この置換によりCAA(グリシン)がTAA(ストップコドン)へと変異していた。3)これらはラントドメインの3'末域にストップコドンを形成した。この症例は臨床所見で大泉門の開存、左右鎖骨の完全欠損、乳歯の晩期残存、永久歯の萌出遅延を認めた。さらに口唇裂を認める特異な症例であった。 1997年にCBFA1のへテロ変異により同疾患が引き起こされると報告されているが今回の結果はこれを肯定していた。しかしながらこれまで報告のある鎖骨頭蓋異形成症のCBFA1の変異の変異とは異なっており、歯形成異常とCBFA1の変異内容との関係ばかりでなく、口唇裂との関連はCBFA1の未知の機能を予想させる。 今後他のサンプルの解析を進め臨床像とCBFA1遺伝子変異のバリエーションを精査する予定である。
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[Publications] Yamachika E,Tsujigiwa H,Ishiwari Y,Mizukawa N,Nagai N,Sugahara T: "Identification of a stop codon mutation in the CBFA1 runt domain from a patient with cleidocranial dysplasia and cleft lip"Journal of Oral Pathology & Medicine. (in press).