2000 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期が白金製剤と光化学療法との併用に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
12771228
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
池田 久住 長崎大学, 歯学部・附属病院, 講師 (00244088)
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Keywords | 光化学治療 / シスプラチン / フォトフリン / 細胞周期 / フローサイトメーター / 電子顕微鏡 / ミトコンドリア |
Research Abstract |
HeLa細胞を用いて光化学治療(Photodynamic therapy PDT)と白金製剤のシスプラチン(CDDP)を併用して殺細胞効果の変化について検討した。 結果1)PDTとCDDPを併用するとPDT単独の場合と比較して、有意に殺細胞効果の増強が認められた。 結果2)PDTとCDDPの併用順序に関してはPDTに先立ちCDDPと細胞を接触させておくことで、PDT後にCDDPと接触させた場合と比較して有意に殺細胞効果の増強が認められた。 結果3)PDTとCDDPの併用ではPDT前にCDDPと接触させた場合は相乗効果を示し、PDT後に接触させた場合は相加効果を示した。 結果4)上記の結果は感光色素、CDDPの濃度を変化させた場合も同じであった。 結果5)濃度を変化させた場合は、感光色素、CDDPともに高濃度の組み合わせが高い殺細胞効果を示した。 結果6)CDDPを先行させた場合に殺細胞効果が高くなる理由として、CDDPによる細胞周期S期への集積が原因と考えたがフローサイトメーターでの解析では細胞のS期への集積は認められなかった。 以上の結果について以下の学会で発表した 1:第10回国際光線力学学会日本支部研究会 2000年6月 岩見沢 2:第21回日本レーザー医学会総会 2000年11月 東京 現在検討中の項目 現在以下の項目について検討中である。 項目1)CDDPの併用順序による殺細胞効果の違いについて CDDP接触後の細胞の細胞周期とPDT後の細胞の細胞周期の違いを解析中。 項目2)併用療法における細胞内標的器官の特定について 経時的に電子顕微鏡標本を作成し検討を行っている。現在までの範囲では早期からミトコンドリアの変化が認められており、ミトコンドリアが標的器官の一つと考えられる。さらに細胞質内にも変化が認められる。
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