2000 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌頚部リンパ節転移に関する分子生物学的解析と臨床応用
Project/Area Number |
12771229
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
仲盛 健治 琉球大学, 医学部・附属病院, 助手 (60295334)
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Keywords | 下顎歯肉癌 / 臨床所見 / 病理組織学的所見 / 頚部リンパ節転移 / 免疫組織 |
Research Abstract |
【1】下顎歯肉癌の頚部リンパ節転移に関連する臨床ならびに病理組織学的所見 1985年5月から2000年3月までに当科で加療した下顎歯肉癌47症例の臨床所見ならびに病理組織所見と頚部リンパ節転移について検討した。頚部リンパ節転移を認めた症例(原発巣再発に伴う頚部リンパ節転移をのぞく、以下転移群)は11/47例(23.4%)にみられ、これら転移群のT分類(UICC;1997),骨吸収様式、分化度、癌浸潤様式別に転移群の割合を算出した。 【T分類】T1;0/6(0%),T2;3/13(23%),T3;0/4(0%),T4;9/24(38%)【骨吸収様式】骨吸収像無し;0/10(0%),erosive type;8/21(38%),invasive type;4/16(25%)【分化度】高分化型;3/16(18%),中等度分化型;8/27(30%),低分化型;l/2(50%)【癌浸潤様式】1型;0/5(0%),2型;1/11(9%),3型;7/16(44%),4C型;4/10(40%),4D型;0/3(0%).これら治療前の臨床所見、組織学的所見を独立変数に、頚部リンパ節転移の有無を従属変数として多変量解析(ロジスティック回帰分析)した結果、T分類(p=0.54).骨吸収様式(p=0.29)、分化度(p=0.66)、癌浸潤様式(p=0.46)のいずれも統計学的に有意な転移予測因子と考えられなかった。 【2】下顎歯肉癌症例の免疫組織学的所見 下顎歯肉癌症例14例について細胞接着因子と考えられるE-カドヘリン、α-,β-,γ-カテニンの発現と頚部リンパ節転移との関連を検索した。各々の因子において、その発現の減弱したものは非減弱したものに比べて転移率が高い結果であった。なかでも、E-カドヘリン、β-カテニンの発現が減弱した症例の転移率は3/6(50%)であるのにたいし、非減弱症例は0/8(0%)の転移率であった。
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