2001 Fiscal Year Annual Research Report
神経伝達物質受容体の持続的活性が来す難治性疼痛進展機構の検討―髄腔内持続微量投与モデルを用いて―
Project/Area Number |
12771231
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
坂本 英治 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (00295859)
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Keywords | 三叉神経ニューロパシー / ニューロメーター / Current Perception Threshold / 脊髄伝達機構 / Hypoesthesia / Dysesthesia / Allodynia / Hyperalgesia |
Research Abstract |
本研究では脊髄伝達物質の過剰な放出が脊髄伝達機構の変調にどのように関与しているかを明らかにすることをの目的とし、同時に臨床面で外傷性三叉神経ニューロパシーの病態の特異性を検討した。 ラットくも膜下腔内に予めPE-10カテーテルを留置し、くも膜下腔へNMDAを1μg/ml/minで連続に微量投与する。投与開始から10-20後から熱刺激に対する反応潜時が早くなり、痛覚過敏状態が惹起された。これは濃度依存性に反応潜時の現象が認められ、NMDAアンタゴニストMK-801で拮抗されることが明らかになった。これに対する組織的な変化は現在なお研究中であるが、形態変化を伴う不可逆的な変化のイニシエーションとして位置づけられ、今後の疼痛研究の基礎となりうる。 また臨床面では三叉神経ニューロパシーの病態に対する特異性を検討した。感覚神経線維Aβ,Aδ,C線維をそれぞれ定量化できるといわれるニューロメーター(東洋メディック・東京)を用いて傷害神経のCurrent Perception Threshold(CPT)を症状別、----Hypoesthesia, Dysesthesia, Allodynia, Hyperalgesia----に比較を行った。異常感覚の中でHypoesthesia DysesthesiaはそのAβ,Aδ,C線維の閾値のバランスは正常神経と同じで各成分ともに一様に上昇していたのに対して、Allodynia, Hyperalgesiaといった痛みを伴う症状での各線維のバランスは著しく変調していた。これは神経損傷後に各神経線維の傷害に対する抵抗性の違い、傷害からの修復速度の違いが存在するといった基礎的研究の裏付けとなり、こういった神経線維のアンバランスが症状に反映することを示唆している。今後はこの結果を症状からの予後予測や治療内容の選択性に役立てることができるど思われ、また基礎的研究の裏付けだけでなく今後の発展にも寄与するものと考えられる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 今村佳樹, 坂本英治 他: "歯科治療後にみられる知覚異常の予後診断に関する研究-自覚症状について-"日本歯科麻酔学会雑誌. 第28巻第1号. 20-26 (2000)
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[Publications] 坂本英治, 今村佳樹 他: "口腔内に発現した三叉神経Neuropathyに対するStent療法の治療効果"日本ペインクリニック学会誌. Vo17 No2. 145 (2000)
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[Publications] 坂本英治, 椎葉俊司 他: "ニューロメーターを用いた外傷性三叉神経ニューロパシーの病態評価について"Pain Research. Vo116 No2. 57-62 (2001)
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[Publications] 坂本英治, 椎葉俊司 他: "心因性疼痛と診断されていた三叉神経ニューロパシー2例についての検討"日本歯科心身医学会. 第16巻1号. 103-107 (2001)
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[Publications] 坂本英治, 今村佳樹: "口腔顔面痛 第15章 診断の道程"クインテッセンス出版. 14 (2001)