2000 Fiscal Year Annual Research Report
ラット顎下腺発癌およびヒト唾液腺腫瘍における筋上皮様細胞の動態
Project/Area Number |
12771256
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
池田 昌弘 朝日大学, 歯学部, 助手 (20298425)
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Keywords | 唾液腺 / ラット / ヒト / カルポニン / アクチン / 増殖核抗原 / S100蛋白 / c-erbB-2 |
Research Abstract |
ラットの顎下腺体内に1%DMBA/オリーブ油を含ませたスポンジを埋入して作成した顎下腺癌を用いカルポニン(CAL)をマーカーとして免疫組織化学的に筋上皮細胞の動態を検討した。CALは扁平上皮様構造を示す部分では陰性であるが導管様構造を示す部分では外周の細胞に陽性を示し、しばしば導管様構造の周囲の結合組織内にもCAL陽性細胞が認められた。現在、発癌剤埋入後の週齢を追ってその詳細を検討中である。 臨床標本において筋上皮のマーカーであるCALと導管基底細胞のマーカーであるメタルチオネイン(MT)を用い、閉塞性唾液腺炎について免疫組織化学的に検討した。その結果閉塞性変化を被った筋上皮細胞と導管様構造物の基底側細胞はCAL、MTの両者に陽性を示した。また、閉塞した唾液腺の平滑筋細胞ではCALのみが陽性反応を示し、増殖核抗原(PCNA)は充実性胞巣および腺管状構造を示す腫瘍細胞で陽性率が高く、索状配列を示す部分ではほとんど陽性を示さないことも確認された。これらの結果より筋上皮細胞や導管基底細胞が閉塞性変化を被ることで幼弱化することが示唆された。また、左側口蓋に発生した比較的大きな多形性低悪性度腺癌を経験し、その腫瘍細胞においてS100蛋白、KL1ケラチン、上皮膜抗原(EMA)、癌胎児性抗原(CEA)、bcl2癌抑制遺伝子産物の発現が免疫組織化学的にも認められるが、c-erbB-2およびK-rasの再構成や増幅を認めず、p53のエクソン5、6、7、8における変異は認められないことを岐阜歯科学会誌に報告した。
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Research Products
(1 results)