2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12771276
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小島 美樹 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (20263303)
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Keywords | 歯周診査 / 動画像 / 画像解析 |
Research Abstract |
本研究では、歯周診査の動画像を撮影し、診査終了後にその画像から歯周ポケットの深さを、以下の様な方法で数値化することができた。 板バネによって圧力の調整ができる歯周プローブを用いて、歯牙模型上の右側上顎第1大臼歯頬側のプロービングを行う様子を、購入したデジタルビデオカメラで撮影した。歯肉溝の深さが目視で1.5mmから10.5mmを示す動画像を、1mmごとに3シーンづつ撮影した。動画像を再生し、プローブの板バネの位置が適正圧力を示す時点(ガイドラインが一致する瞬間)の静止画像を購入したコンピュータに取り込んだ。歯肉縁とプローブの目盛りを正確に抽出するために、画像の明るさとコントラストを補正した。画像を2値化した後、歯肉縁と11.5mmポイントの間の距離と、10.5mmポイントと11.5mmポイントの間の距離を測定し、これらを用いて歯肉溝の深さの実測値を算出した。測定にかかる時間は1画像につき約30秒であった。 本法の精度を確認するために、目視で測定した値と画像で測定した値との相関を調べた。歯牙模型上で目視で測定した歯肉溝の深さの値と、画像で測定した値との相関係数は0.998であった。さらに、4mm以下の歯周ポケットをもつ7名の被験者を診査対象とし、同一被験者内で左右上顎第1大臼歯の歯周ポケットの深さを目視と画像で測定し、その誤差を算出した結果、測定部位の80%が±1.0mmの誤差の範囲内であり、被験部位によって誤差の程度に有意な差はなかった。 以上より、診査終了後に動画像を処理することで、精密な歯周ポケットの値を迅速に得られることが示唆された。また、本法を用いることにより、術者の熟練度にかかわらず精度の高い歯周臨床情報が得られる可能性が示された。
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Research Products
(1 results)