2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12771310
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
檜山 雄彦 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (50288081)
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Keywords | う蝕予防 / フッ素 / 小児 / 隣接面 |
Research Abstract |
我々は、平成12年度、シートの物理的特性およびハイドロキシアパタイト焼結体(HAp焼結体)へのフッ素の取り込みについて検討をおこなった。 シートの原材料であるPVAは、PVA濃度8wt%より粘度が上昇し、8wt%付近から攪拌に伴う気泡の混入が観察された。シート制作時の気泡混入は、強度の低下が考えられ、よって8wt%が最適であることがわかった。また8wt%のシート厚さは106±21μm(n=50)で,最も厚いシートでも,下顎第一乳臼歯,下顎第二乳臼歯歯牙植立模型上の隣接面にシートの挿入が可能であった。 また、PVA濃度8wt%シートの引張力試験をおこなった。シート引裂時伸展距離の1/3程度までは急激な強い引張応力をを示し,それ以降は伸展距離の増加毎に緩やかな引張応力を呈し,引裂時の直前に最大引張力を示すか,あるいは最大引張力と同時に引裂した。最大引張力時の引っ張り強さは,1.23kgf/mm^2,引裂時伸びは410±125%であった。 プラスチック製の型枠内にHAp焼結体を密着させ,HAp焼結体片面にシートを挿入し,HAp焼結体とシートの間に37℃の人工唾液を0.8ml/min,60分間滴下させた。HAp焼結体表面をワックスにより5×5mmの正方形にマスキングし,正方形部から溶出したフッ素量をフッ素イオン電極で,カルシウム量を原子吸光分光光度計を用いて計測した。その結果シートから徐放するフッ素は,HAp焼結体中に取り込むことが可能であることがわかった。また、フッ素によるHAp焼結体の耐酸性も向上することが確認できた。
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