2000 Fiscal Year Annual Research Report
歯周炎局所のT細胞による破骨細胞分化因子の産生が歯槽骨吸収に及ぼす影響
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12771321
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
長澤 敏行 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90262203)
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Keywords | RANKL / OPG / 歯周炎 / T細胞 |
Research Abstract |
破骨細胞の形成には破骨細胞分化因子(ODF,RANKL,OPGL)とM-CSFが必須であり、破骨細胞分化因子は、破骨細胞の前駆細胞上のレセプターに結合してその分化を促進することが知られている。また、近年、T細胞がこの破骨細胞分化因子を産生することが報告されてから、炎症局所のT細胞による破骨細胞形成の制御が注目されてきている。本研究では歯周炎局所のT細胞による破骨細胞形成のコントロールに着目し歯周炎における破骨細胞分化因子(ODF,RANKL.OPGL)、Osteoprotegerin(OPG)の発現とその働きについて検討してきた。歯周炎局所の炎症歯肉からRNAを分離し、RANKLとそのレセプターであるRANK、さらにその働きを抑制するOPGの発現をRT-PCR法を用いて検討した。炎症歯肉から歯肉単核球を分離し、RANK-Fc fusion proteinとProtein A FITCを用いて染色し、フローサイトメトリーで歯肉単核球のRANKL発現も検討した。その結果、ほとんどのサンプルでOPGが検出され、約半分のサンプルでRANKL,RANKが検出された。RANKLは臨床症状が重篤であった部位から高頻度に検出される傾向が認められた。炎症歯肉から分離した歯肉単核球ではRANKL発現が認められた。これらのことから、歯肉単核球が歯周炎における破骨細胞形成に関与していることが示唆された。
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[Publications] Kobayashi H,Nagasawa T,Aramaki M,Mahanonda M.,Ishikawa I: "Individual diversities in interferon gamma production by human peripheral blood mononuclear cells stimulated with periodontopathic bacteria"J Periodont Res. 35. 319-328 (2000)
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[Publications] 長澤敏行,石川烈: "歯周病学最前線"奥田克爾,我孫子宜光,石川烈,岡川宏,古賀敏比古,野口俊英,村山洋二. 354 (2000)
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[Publications] Nagasawa T.,Kobayashi H.,Aramaki M.,Ishikawa I: "Progress of Periodontal Research and Practice in Asian Pacific Countries"Bartold PM.,Ishikawa I.,Sirirat M. (2000)