2001 Fiscal Year Annual Research Report
歯肉縁下プラークからなるバイオフィルムの疾病活動度や難治度の解析および分類
Project/Area Number |
12771331
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤瀬 修 九州大学, 歯学部・附属病院, 助手 (40315099)
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Keywords | 歯周炎 / 歯周病原性細菌 / バイオフィルム / porphyromonas gingivalis |
Research Abstract |
歯周炎では、歯周病原性細菌が量的あるいは質的に違っているめに疾病活動度の異なるバイオフィルムがあるのではないかと我々は考えている。そこで本研究では、Colorimetric PCR法を用いて、Actinobacillus actinomycetemcomitans(A4), Porphyromonas gingivalis(P.g), Bacteroides forsythus(B.f)の検出および定量的解析を行った。また、RT-PCR法を用いて、P.g病原性因子遺伝子の転写の検出も行った。そして、これら細菌学的結果が臨床症状とどのように関連しているのかを調べた。 研究成果は、以下の通りである。 1.成人性歯周炎では、P.gとB.fの組み合わせおよびP.g細菌数は歯周基本治療の前後において臨床症状との関連性が強く治療効果を反映するマーカーとなりえた。 2.急速進行性歯周炎は成人性歯周炎と比較した場合、歯周ポケットが深くなるとA.aとP.gの検出率及び細菌数は減少するが、B.fの検出率や細菌数に違いは認められなかった。したがって、急速進行性歯周炎においてB.fの強い関連性が示唆された。 3.成人性歯周炎では、P.gのrgpA, hagA, sod3のmRNAは高頻度に検出された。しかし、検出の有無のみでは臨床症状との関連性を示さなかった。 成人性歯周炎では急速進行性歯周炎とは異なり、28が町と組み合わさることによって病原性を高めている可能性があるが、今後、B.fとの組み合わせが28病原性因子の定量的mRNAレベルにどのように関連して、臨床症状へ影響を与えているのか調べる必要がある。
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