2001 Fiscal Year Annual Research Report
2-オキサゾロンを構築材とした多目的合成子の速度論的光学分割と利用
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12771358
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松永 浩文 熊本大学, 薬学部, 助手 (10274713)
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Keywords | 2-オキサゾロン / 2-オキサゾリジノン / 2-イミダゾリジノン / 光学活性α-アミノアルデヒド / 1,2-ジアミン / 不斉補助剤 / 不斉配位子 |
Research Abstract |
本研究では、我々が独自に展開してきた2-オキサゾロンを構築材としたアミノアルコール骨格の効率キラル構築法の汎用性を更に高めるべく、新規にキラル合成子4,5-ジアルコキシ-2-オキサゾリジノン体を合成開発し、「光学活性α-アミノアルデヒド等価体」としての有用性・汎用性を実証することを目的とした。特に今年度は、本化合物の汎用性の実証に主眼を置いて検討した。 (1)光学活性α-アミノアルデヒド体の合成:光学活性5-ベンジルオキシ-4-メトキシ-2-オキサゾリジノン体(BMOx)の4位置換体を中性条件下接触還元(Pd-C/H_2)したところ、99%以上の光学純度で容易且つ高収率で光学活性α-アミノアルデヒド体を得た。本法は、従来調製や取扱が困難な光学活性α-アミノアルデヒド体の高純度合成の新規簡便ルートとして、極めて有用である。 (2)光学活性α-アミノアルデヒド等価体としての汎用性の実証:光学活性4,5-ジメトキシ-2-オキサゾリジノン体(DMOx)のメトキシ部位は何れも立体保持で段階的に置換変換可能であり、C_2-対称2-イミダゾリジノン体やC_2-対称ジアミン類を収率よく得ることが出来た。本法により得られたこれらC_2対称性不斉源は、その構造特性の故に不斉補助剤として、又不斉配位子として不斉合成反応に広く用いることができる。また、本手法を利用して、形式合成ではあるが、(+)-ビオチンの簡易合成ルートを開拓した。 これらの変換により、新しいタイプのキラル合成子BMOx及びDMOxの汎用性を示すことが出来た。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] T.Morita, Y.Nagasawa, S.Yahiro, H.Matsunaga, T.Kunieda: "Versatile Synthons for Optically Pure α-Amino Aldehydes and α-Amino Acids : (+)-and(-)-4,5-Dialkoxy-2-oxazolidinones"Organic Letters. 3. 897-899 (2001)