2000 Fiscal Year Annual Research Report
酵母VMA1エンドヌクレアーゼの蛋白質スプライシング機構
Project/Area Number |
12771375
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水谷 隆太 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (70272482)
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Keywords | X線結晶構造解析 / エンドヌクレアーゼ / 蛋白質スプライシング |
Research Abstract |
酵母VMA1遺伝子がコードする一本鎖蛋白質は、中央部C284-N737のDNAエンドヌクレアーゼ(以下VDE)を切り出し、N末端側M1-G283とC末端側C738-D1071をペプチド結合で接続して液胞性ATPase触媒サブユニットを生成する。ポリペプチド鎖の切り出しと接続によるこの現象は、プロテインスプライシングと呼ばれており、自己触媒的に進行する。スプライシング反応ではC284,N737とC738が触媒残基と考えられている。これらをSerに置換し、N末端11残基とC末端10残基を付加して、スプライシング部位近傍のH362をAsnへ置換した変異体VDE-X10SSSを発現・精製・結晶化した。110KにおいてX線回折強度データを測定し、X線結晶構造解析を行った。 得られた結晶の空間群はP1(VDE2分子/非対称単位)であり、格子定数はa=66.2Å、b=68.8Å、c=58.5Å、α=103.1°、β=98.8°、γ=79.0°である。VDE-X10SSSの2.4Å分解能の結晶構造をN末端に6残基付加したXA-VDEの構造と比較すると、スプライシングを担うドメインでは主鎖の平均二乗差異は0.32Åと構造はほぼ同じであるが、エンドヌクレアーゼ活性ドメインの構造には差異が認められ、分子全体では1.31Åである。付加したペプチド部分のうち、N末端6残基とC末端4残基について、明瞭な電子密度が観察された。スプライシング活性残基のS284側鎖Oγ原子とG283主鎖C'の距離は3.0Åである。スプライシング反応の第一段階は、C284SγからG283C'への求核攻撃であると考えられる。
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[Publications] Hideshi Yokoyama,Ryuta Mizutani,Yoshinori Satow: "Complex formation of double-stranded DNA (6-4) photoproducts and anti(6-4) photoproduct antibody Fabs."Nucleic Acid Symposium Series. 44. 151-152 (2000)
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[Publications] H.Yokoyama,R.Mizutani,Y.Satow,Y.Komatsu, E.Chtsuka,O.Nikaido: "Crystal structure of the 64M-2 antibody Fab fragment in complex with a DNA dT (6-4)T photoproduct formed by ultraviolet radiation"Journal of Molecular Biology. 299. 711-723 (2000)