2000 Fiscal Year Annual Research Report
酸化的ストレスの防御と増幅に対するセレンの役割に関するESRによる無侵襲解析
Project/Area Number |
12771386
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Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
松本 謙一郎 昭和薬科大学, 薬学部, 助手 (10297046)
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Keywords | セレン欠乏 / 酸化的ストレス / グルタチオンペルオキシダーゼ / ニトロキシルラジカル / in vivo ESR / 活性酸素 / ラット / 無侵襲 |
Research Abstract |
セレン欠乏モデルラットの飼育を行った。親ラットの妊娠中からセレン欠乏餌を与え続けることにより、4週齢という非常に若い週齢でもグルタチオンペルオキシダーゼ活性が殆ど見られないモデルを作成することができた。4週齢から20週齢までグルタチオンペルオキシダーゼ活性が殆ど見られないことを確認した。このセレン欠乏モデルラットを用いて、低周波数(300MHz)の生体計測用ESRで、生体内ニトロキシルラジカル消失速度の評価を行った。生体内ニトロキシルラジカル消失速度からは、酸化的ストレス無負荷の場合には生体内の総合還元力を、酸化的ストレスを負荷した場合の消失速度の上昇から生体内での活性酸素種の発生を評価することが出きる。今回の実験では酸化的ストレスの負荷は行っておらず、このときセレン欠乏モデルラットの生体内ニトロキシルラジカル消失速度は正常ラットに比べ低下した。この結果から、セレン欠乏ラットでは正常ラットよりも生体内総合還元力が有意に低下することが分かり、グルタチオンペルオキシダーゼの活性低下が生体内総合還元力の低下に何らかの影響を与えている可能性が予測された。セレン欠乏ラットでは生体内での過酸化水素の発生が報告されていることから、次に酸素暴露による酸化的ストレス負荷時の生体内ニトロキシルラジカル消失速度の変化を調べ、生体内での活性酸素種の生成を評価しようと試みた。しかしながら、1時間あるいは2時間の酸素暴露による生体内ニトロキシルラジカル消失速度への影響は観られなかった。現在、引き続き酸素暴露の条件を検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Matsumoto,K.,Endo,K.,Uosumi,H.: "In vivo electron spin resonance assessment of decay constant of nieroxyl radical in selenuium-deficient rat "Biol.Pharm.Bull.. 23・5. 641-644 (2000)
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[Publications] Ueda,Y.,Matsumoto,K.,Endo,K.: "Evidence of hepatic endogenous hydrogen peroxide in bile of selenium-deficient rats"Biochem.Biophys.Res.Commun. 271・3. 699-702 (2000)