2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12771391
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齊藤 真也 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (80271849)
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Keywords | 細胞骨格 / アクチン / 微小管 / アポトーシス / カルシウム |
Research Abstract |
細胞が外界からの刺激に応答するには、刺激に対する受容体が細胞内へと情報を転換し、ここで生成されたセカンドメッセンジャーが細胞内の各標的タンパク質へと情報を伝達していくことが必須である。カルシウムはこのようなセカンドメッセンジャーの一つであり、細胞の運動、分泌、あるいは細胞の死そのものに大きく関与している。細胞膜の膜電位を大きく変化させることで細胞応答を制御している興奮性の細胞には大別して2つのカルシウム流入経路が存在している。一つは膜電位によって制御される電位依存性カルシウムチャネルであり、他方は受容体刺激に連関してカルシウムを流入させることが知られているものの、タンパク質そのものの同定が未だに完了していない経路である。SK&F96365は後者のカルシウム流入を特異的に阻害する化合物として広く用いられてきた。しかしながら、我々はこの化合物には少なくとも細胞骨格の一つである微小管の重合抑制能があることを見いだした。このことは微小管の役割を考える上で非常に興味深い知見である。カルモジュリンは、カルシウム受容タンパク質の一つであり、細胞内に豊富に存在するが、その構造変化を通じて、セカンドメッセンジャーの情報を各標的タンパク質に伝える役割を担っている。真菌株より抽出したophiobolin Aがカルモジュリン阻害作用を持ち、この化合物がL1210細胞株にアポトーシスを誘導することを我々は見いだした。
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[Publications] Mitsui-Saito,M. et al: "Inhibition of microtubule polymerization by SK&F 96365, a blocker of receptorlinked Ca^<2+> entry"Japanese Journal of Pharmacology. 82. 269-271 (2000)
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[Publications] Kobayashi, H. et al: "Involvement of phosphatidylcholine-specific phospholipase C in thromboxane A_2-induced activation of mitogen-activated protein kinase in astrocytoma cells"Journal of Neurochemistry. 74. 2167-2173 (2000)
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[Publications] Fujiwara,H. et al: "Ophiobolin A, a novel apoptosis-inducing agent from fungus strain f-7438 cells"Pharmacy and Pharmacology Communications. 6. 427-431 (2000)
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[Publications] Li,P. et al: "Potentiation of nerve growth factor-action by picrosides I and II, natural iridoids, in PC12D cells"European Journal of Pharmacology. 406. 203-208 (2000)
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[Publications] Fujiwara,H. et al: "Halenaquinone, a novel phosphatidylinositol 3-kinase inhibitor from a marine sponge, induces apoptosis against PC12 cells"European Journal of Pharmacology. (2001)