2001 Fiscal Year Annual Research Report
酵母オリゴヌクレオチド形質転換法による修飾ヌクレオチドの突然変異誘導特異性の解析
Project/Area Number |
12771401
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大塚 智恵 岡山大学, 遺伝子実験施設, 助手 (60253001)
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Keywords | 出芽酵母 / オリゴヌクレオチド / 形質転換 / 異常塩基 / 変異 / 脱塩基部位 / translesion synthesis |
Research Abstract |
以下の項目の研究を行い、以下の結果を得た。 1.オリゴヌクレオチド形質転換法を用いたDNA損傷の変異誘導特性の解析 (1)脱塩基部位 APエンドヌクレアーゼをコードする遺伝子APN2及びAPN1APN2欠損株を新たに作成し、天然型脱塩基部位(0)およびテトラヒドロフラン型脱塩基部位(F)の変異誘導特性の解析を行った。その結果、Fは二種類のAPエンドヌクレアーゼの内、APN1産物によって除かれることが明らかとなった。またそのスペクトラムはOに対してシトシンをFに対してアデニンを最も良く取り込むというAPN1欠損株の結果と類似していた。APN1APN2二重欠損株ではそれぞれの遺伝子を欠損した株のスペクトラムとは異なっており、これらの遺伝子が損傷乗り越え修復に影響を及ぼすことが明らかとなった。 Fの5'側の塩基を変えたオリゴヌクレオチドを4種類作成し変異スペクトラムを解析した。いずれの場合もアデニンとシトシンが良く取り込まれたが、その割合は5'側の塩基の種類によって差が見られた。 (2)(6-4)光産物 紫外線によって生成されるDNA損傷である(6-4)光産物についても変異誘導特性を解析した。この損傷の乗り越えにはRev1タンパク質及びRad30タンパク質が関与していること、3'Tの変異原性が高いことなどを明らかにした。これらは酵母の他の系を用いた結果を支持する結果であり、我々の系がかさの大きい損傷の変異誘導特性の解析にも応用できることを明らかにした。 2.オリゴヌクレオチド形質転換法のメカニズムの解明 オリゴヌクレオチドが染色体DNAに導入される過程に於いて、塩基のミスペアが形成される。そこで、ミスマッチ修復系の影響を調べるためにPMS1欠損株を作成し、野生株との形質転換効率の比較を行ったところ、2-4倍の効率の上昇が見られた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Chie Otsuka, Keita Kobayashi, Naho Kawaguchi, Nozomu Kunitomi, Kei Moriyama, Masahiro Hata, Shigenori Iwai, David Loakes, Vladimir Noskov, Youri Pavlov, Kazuo Negishi: "Use of yeast transformation by oligonucleotides to study DNA lesion bypass in vivo"Mutation Research. (in press). (2002)