2000 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタグランジントランスポータの発現・機能解析とその制御による癌治療への応用
Project/Area Number |
12771402
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
永井 純也 広島大学, 医学部, 助手 (20301301)
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Keywords | プロスタグランジン / organic anion transporter 1 / prostaglandin transporter / 組織移行性 |
Research Abstract |
プロスタグランジン(PGs)の全身動態に関与するトランスポータを解明することを目的として、PGsのin vivo体内動態解析を中心に進めている。これまでの研究によって得られた主な知見を以下に示す。 ラットに[^3H]prostaglandin E_1(PGE_1)を単回静脈内投与し、その1分後の各組織における^3Hの放射活性を測定することで、[^3H]PGE_1の組織移行性について評価した結果、組織/血漿中濃度比で表された[^3H]PGE_1の組織移行性(見かけのKp値)は腎皮質で最も高く、以下、腎髄質、肝、肺の順に高い移行性が観察された。腎乳頭、小腸、心臓、胃、精巣、脳および眼におけるKp値は、腎皮質のそれに比べ、10分の1以下と低いものであった。この様に、[^3H]PGE_1の組織移行性は組織間によって大きく異なり、その組織移行性が何らかのトランスポータで決定されていることが示唆された。そこで、プロスタグランジントランスポータmRNAの組織発現分布をRT-PCR法によって解析したところ、プロスタグランジントランスポータmRNA発現レベルは、腎皮質、腎髄質、腎乳頭、肝、肺等において、同程度に発現していることが観察され、[^3H]PGE_1の組織移行性と対応しなかった。一方、PGsを基質として認識するorganic anion transporter1(OAT1)の組織発現分布とは、[^3H]PGE_1の組織移行性がよく対応していることから、OAT1阻害剤プロベネシド併用投与時における[^3H]PGE_1の組織移行性を調べた結果、腎皮質への[^3H]PGE_1移行は顕著に低下するとともに、[^3H]PGE_1の全身クリアランスは低下した。従って、OAT1がPGsの体内動態に重要な役割を果たしていることが考えられることから、それをさらに明確にするため、現在、組織レベルおよび細胞レベルでの解析も進めている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shiraishi,Y. et al.: "Effect of cisplatin on H^+ transport by H^+-ATPase and Na^+/H^+ exchanger in rat renal brush-border membrane"Life Sci.. 67. 1047-1058 (2000)
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[Publications] Huang,Z. et al.: "Expression and function of P-glycoprotein in rats with glycerol-induced cute renal failure"Eur.J.Pharmacol.. 406. 453-460 (2000)
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[Publications] Yumoto,R. et al.: "Pharmacokinteic interaction of cytochrome P450 3A-related compounds with rhodamine 123, a P-glycoprotein substrate, in rats pretreated with dexamethasone"Drug Metab.Dispos.. 29・2. 145-151 (2001)
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[Publications] Sasaki,Y. et al.: "Expression of chloride channel, CIC-5, and its role in receptor-mediated endocytosis of albumin in OK cells"Biochim.Biophys.Res.Commun.. (in press). (2001)