2001 Fiscal Year Annual Research Report
三量体G蛋白質βγサブユニットによるアクチン細胞骨格と細胞接着の制御機構の解明
Project/Area Number |
12771430
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
上田 浩 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 研究員 (50253779)
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Keywords | G蛋白質 / 細胞骨格 / 細胞接着 / アポトーシス / 低分子量G蛋白質 / Rhoキナーゼ |
Research Abstract |
今年度は、三量体G蛋白質βγによる細胞接着・運動の制御機構を調べている過程で発見したHeLa細胞における三量体G蛋白質Gα11による強い接着斑様構造形成のメカニズムを検討した。以前、HeLa細胞にGβγを発現させると、活性型Gα12と同様にアクチンストレスファイバーと接着斑の形成を引き起こすことを報告した。これらの形成はRhoのドミナントネガティブ変異体とRhoキナーゼ阻害剤Y-27632により阻害されることから、Rho、Rhoキナーゼ依存性と考えられる。一方、活性化型Gα11を発現させるとストレスファイバーは見られないが、ビンキュリン抗体で強く染色される接着斑様の構造が形成された。この形成はRhoキナーゼ依存性であるが、Rhoには非依存性であった。HeLa細胞では活性化型Gα11の発現によりカスパーゼが活性化され、アポトーシスが誘導されること、活性化されたカスパーゼによりRhoキナーゼROCK-Iの切断が起こることが判明した。切断部位はAsp-1113で、N端側のフラグメントは活性化型であることを示した。また、Gq/11を活性化するm1ムスカリン性アセチルコリン受容体刺激でもROCK-Iの切断が起こり、ビンキュリンを含む接着斑様の構造を形成することから生理的条件下でも起こる反応と考えられる。本研究では、ROCK-IのC末端側が切除されて活性化されるというRhoを介さないRhoキナーゼの活性化機構が明らかになった。G11からカスパーゼ活性化への伝達機構は今後の課題であるが、Gq/11のよく知られた下流の反応であるプロテインキナーゼCの阻害剤やCa^<2+>のキレート剤では活性型Gα11によるROCK-Iの切断は抑制されなかったので、これらを介するシグナル伝達ではないと考えられる。活性型Gα11をNIH3T3細胞に発現してもアポトーシスは誘導されず、細胞特異性のある反応であった。一連の反応に関与する分子の内おそらく少なくともどれか1つがNIH3T3細胞には欠けていると推定される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Ueda, H.: "Gα11 induces caspase-mediated proteolytic activation of Rho-associated kinase, ROCK-I, in HeLa cells"J.Biol.Chem.. 276(45). 42527-42533 (2001)
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[Publications] Mori, T.: "Beef tallow, but not perilla or corn oil, promotion of rat prostate and intestinal carcinogenesis by 3,2'-dimethyl-4-aminobiphenyl"Jpn.J.Cancer Res.. 92(10). 1026-1033 (2001)
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[Publications] Abe, M.: "Goniodomin A, an antifungal polyether macrolide, exhibits antiangiogenic activities via inhibition of actin reorganization in endothelial cells"J.Cell.Physiol.. 190(1). 109-116 (2002)
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[Publications] Asano, T.: "Selective localization of G protein γ5 subunit in the subventricular zone of the lateral ventricle and rostral migratory stream of the adult rat brain"J.Neurochem.. 79(6). 1129-1135 (2001)
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[Publications] 上田 浩: "三量体G蛋白質によるRhoファミリー低分子量G蛋白質を介する細胞骨格制御"生化学. 73(7). 568-571 (2001)