2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12771440
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
齋藤 直子 (岩浪 直子) 理化学研究所, 神経蛋白制御研究チーム, 基礎科学特別研究員 (90283077)
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Keywords | プリオン / 相互作用 / スクリーニング / 蛋白構造変換 |
Research Abstract |
プリオン病は、正常な生体内に存在しα-helixに富むプリオン蛋白PrP^Cが、感染性のβ-sheetに富むPrP^<Sc>へと構造変換することが感染、発症と密接に関係するとされている。その過程には正常型PrP^C蛋白と病原型PrP^<Sc>蛋白との相互作用が必要である。本研究は、この蛋白間相互作用部位に結合する物質には、接触阻害による構造変換の阻害効果が期待できると考え、構造変換機構の解明に寄与するプローブとして、また治療薬創製のためのリード化合物として役立つ化合物を得ることを目的とする。 (1)プリオン蛋白結合性物質スクリーニング プリオン蛋白の部分ペプチドPrP(106-126)を用いたELISAアッセイ系を構築し、薬用植物、微生物培養液などから結合物質のスクリーニングを行った。薬用植物から2種、微生物培養物から1種、高い結合活性を示したサンプルについて、活性物質の単離、構造決定を進めている。 (2)プリオン蛋白結合の選択性の検討 生体分子間相互作用解析装置を用いてより直接的な相互作用解析を行った。プリオンペプチドと同じアミノ酸組成で配列を変えたスクランブルペプチドとの比較により、プリオンペプチドへの結合特異性を調べたところ、微生物培養物から得られた活性フラクションに結合の特異性が認められた。 (3)プリオン結合物質の作用によるプリオン蛋白構造変換に対する効果 スクレイピー感染細胞ScN2aによるPrP^C→PrP^<Sc>構造変換アッセイ系を用い、プリオン蛋白構造変換に対する効果を調べたところ、本研究で得られたプリオン結合活性物質にはSc型への構造変換を阻害する効果が認められた。 (4)プリオンペプチドの高次構造への影響 CDスペクトルを用いたペプチド鎖の二次構造解析を行い、本研究で得られた結合物質がプリオンペプチドの構造に与える影響の解析が進行中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Suh,D-Y. et.al.: " Chalcone and Stilbene Synthases Expressed in Eucaryotes Exhibit Reduced Cross-Reactivity in Vitro"Chem.Pharm.Bull.. 48・7. 1051-1054 (2000)
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[Publications] Kojima,N. et.al: "Geranylgeranyl Diphosphate Synthases from Scoparia dulcis and Croton sublyratus.cDNA cloning, Functional Expression, and Conversion to a Farnesyl Diphosphate Synthase"Chem.Pharm.Bull.. 48・7. 1101-1103 (2000)
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[Publications] Sitthithaworn,W. et.al.: "Geranylgeranyl Diphosphate Synthase from Scoparia dulcis and Croton sublyratus.Plastid Localization and Conversion to a Farnesyl Diphosphate Synthase by Mutagenesis"Chem.Pharm.Bull.. 49・2. 197-202 (2001)