2001 Fiscal Year Annual Research Report
グルタミン酸受容体遺伝子群の多型検索及び精神分裂病との相関解析
Project/Area Number |
12771455
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
柴田 弘紀 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (80315093)
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Keywords | 精神分裂病 / グルタミン酸受容体 / 関連解析 / SNP / 連鎖不平衡 / ハプロタイプ |
Research Abstract |
精神分裂病感受性遺伝子の候補として、以下の6つのグルタミン酸受容体遺伝子座を選び、精神分裂病罹患群約200検体およびそれに対応する健常群約250検体を用いて関連解析を行った。 GRINI:プロモーター領域1kbをSSCPにより多型検索し、15個のSNPを同定したがいずれも頻度が低く(5%以下)、精神分裂病との有意な関連は見られなかった(Tani et al. in press)。 GRM2:デノミッククローニングと5'-RACEによって、転写開始点および6つのエクソン(うちひとつは非翻訳)を決定した。多型検索の結果翻訳領域から13個のSNP(うち10個は非同義置換)、またプロモーター領域から1個の挿入、2個の欠失を含む4個の多型を見い出した。いずれの多型も頻度が低く、精神裂病との有意な関連は見られなかった(Joo et al. 2001)。 GRIKI:全エクソンの多型検索を行い、6個のSNPを同定した.そのうち3個は新規のSNPであったがいずれも頻度は低かった。既知の3個のSNPの頻度測定の結果、遺伝子頻度ハブロタイプ頻度ともに、精分裂病との有意な関連は見られなかった(Shibata et al. 2001)。 GRM3:公共のSNPデータベースであるdbSNPから遺伝子全領域にわたって約50kbごとに合計6つのSNPを選択し、関連解析および連鎖不平衡解析をおこなった。そのうちひとつのSNPは精神分裂病と強い関連を示した(p=0.0032)。またこのSNPをふくむハプロタイプ解析でも極めて強い関連(p=0.00004)が知示された(論文投稿中)。 GRIA4:RM3と同様に遺伝子全領域にわたって6つのSNPを選択し、関連解析および連鎖不平衡解析おこなった。いずれのSNPも単独では精神分裂病との有意な関連は示さなかった。しかし2つのSNPによるハプロタイプ解析で精神分裂病との強い関連が示された(p=0.0057)(論文投稿中)。 GRIK2:同様に遺伝子全領域にわたって15個のSNPを選択し、関連解析および連鎖不平衡解析をおこった。いずれのSNPも単独では精神分裂病との有意な関連は示さなかった。また2つのSNPによるハプロタイプ解析を行ったが、有意な関連は見い出されなかった。(論文準備中) 以上の結果から、6つのグルタミン酸受容体遺伝子群のうち2つ、GRM3及びGRIA4は日本人集団において精神分裂病発症に関与していると結論した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tani A, Kikuta R, Itoh K, Joo A, Shibata H, Ninomiya H, Tashiro N, Fukumaki Y.: "Polymorphism analysis of upstream regions of the human N-methyl-D-aspartate receptor subunit NRI gene (GPINI): implications for schizophrenia"Schizophrenia Research. (In press).
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[Publications] Shibata H, Joo A, Fujii Y, Tani A, Makino C, Hirata N, Kikuta R, Ninomiya H, Kawasaki H, Tashiro N, Fukurnaki Y.: "Association study of polymorphisms in the glutamate receptor genes, GRM2 and GRIKI with Japanese schizophrenia"The American Journal of Human Genetics. 69Suppl.. 583(2361) (2001)
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[Publications] Shibata H, Joo A, Fujii Y, Tani A, Makino C, Hirata N, Kikuta R, Ninomiya H, Tashiro N, Fukumaki Y.: "Association study of polymorphisms in the coding region of the GluR5 kainate receptor gene (GRIKI) with schizophrenia"Psychiatric Genetics. 11(3). 139-144 (2001)
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[Publications] Joo A, Shibata H, Ninomiya H, Kawasaki H, Tashiro N, Fukumaki Y.: "Structure and polymorphisms of the human metabotropic glutamate receptor type 2 gene (GRM2): analysis of association with schizophrenia"Molecular Psychiatry. 6(2). 186-192 (2001)