2000 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子欠損マウス病態モデルを用いた複合的IL-1ra機能解析
Project/Area Number |
12771466
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Research Institution | Kyoritsu University of Pharmacy |
Principal Investigator |
飯笹 久 共立薬科大学, 薬学部・治療薬学系・薬剤学講座, 助手 (80306662)
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Keywords | サイトカイン / 細菌誘導性肝炎 / 樹状細胞 / Th1 / Th2 / receptor antagonist / Interleukin-1 |
Research Abstract |
本研究において、病態成立時に伴う種々の異常を解析することは、極めて重要である。私は本研究行うに先立ち、Interleukin-1 receptor antagonist(IL-1ra)欠損マウスにおけるマウス細菌誘導性肝炎モデルの詳細な解析を行った。細菌誘導性肝炎モデルでは死菌投与により肝臓中に肉芽腫が形成され、肉芽腫形成後菌体成分LPSの投与により、肝炎がひきおこされる。従って肉芽腫形成時の解析は本病態モデルにおいて重要である。IL-1ra欠損マウスでは、菌体投与3日目では野生型マウスと比較して、肉芽腫の増加と肉芽腫のサイズそのものが大きくなっていた。次に私は、肉芽腫形成細胞の構成を免疫染色にて解析した。その結果、樹状細胞およびマクロファージマーカーであるCD11cまたはF4/80陽性細胞は野生型マウスと比較して肉芽腫中に増加していたのに対して、より成熟型の樹状細胞マーカーであるDEC205陽性細胞は減少していた。則ち炎症時の樹状細胞分化においてIL-1raが重要な役割を果たすことが、世界で始めて明かとなった。次に私は、細菌成分投与後3日目におけるサイトカイン産生を、調べた。その結果、Th2型サイトカインの発現増加と、早期のTh1型サイトカインの発現亢進を認めた。このサイトカイン産生異常は、肉芽腫を形成する樹状細胞の異常が原因と思われるが、詳細は現在解析中である。本成果は現在論文投稿中である。
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