2000 Fiscal Year Annual Research Report
新しく開発したFeetham家族機能調査日本語版を用いた家族機能の評価-在宅看護および医療機関内看護が家族機能におよぼす影響を中心に-
Project/Area Number |
12771485
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
法橋 尚宏 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60251229)
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Keywords | 家族機能 / FFFS / 在宅看護 / 医療機関内看護 / 家族看護 |
Research Abstract |
1.国内での研究 2000年8月,厚生省「慢性疾患児家族宿泊施設の整備事業」の補助を受けている病院の小児病棟(混合病棟を含む)35病棟を対象として,郵送法による質問紙調査を実施した.29病棟からの回答を分析した結果,患児と同一室内で24時間生活を共にする家族の付き添いを原則不可とする病院が多かった(75.9%)が,付き添いがついている患児の割合(平均46.2%)から考えると付き添いが許可されている現状が明らかになった.このうち13病棟から新しく開発したFFFS日本語版Iを使用した調査への参加の許可を得た. 一方で,全国の研究者にFFFS日本語版Iの配布・普及を進めており,約50名がこれを使用した調査を実施中である. 2.アメリカ合衆国での研究 アメリカ合衆国のJ病院,M病院,N病院などを訪問,病棟研修を行い,家族看護の実践の現状を実地調査した.病棟内で家族看護を実践する立場の看護婦・士(Family Nurseとよばれる)が配属されて活動しており,質の高い家族看護の実践が明らかになった.また,病院付属の家族宿泊施設が整備されており,付き添いを行う家族への配慮が十分に行われていることがわかった.現在,FFFS原版を使用した調査の審査を受けている. また,パソコン上でFFFS(日本語版Iおよび原版)に回答できるシステムをJavaによるプログラミングで開発した.これにより,回答者は容易に答えることができ,集計も同時にパソコンでできるようになった.また,Internetを介してアメリカ合衆国などの遠隔地からでも回答でき,その利用範囲が拡大できた.
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[Publications] 前田美穂: "入院患児への家族の付き添いに関する実態調査-東京都内の病床数100床以上の病院を対象として-"家族看護学研究. 5・2. 94-100 (2000)
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[Publications] 法橋尚宏: "FFFS(Feetham家族機能調査)日本語版Iの開発とその有効性の検討"家族看護学研究. 6・1. 2-10 (2000)
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[Publications] 法橋尚宏: "入院中の子どもに付き添う急迫の家族へのサポート-慢性疾患児家族宿泊施設とマクドナルド・ハウス-"おおさかメディカル. 平成12年5月9日号. 1 (2000)
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[Publications] 法橋尚宏: "家族機能を定量的に測定する用具「FFFS日本語版I」の開発とその適用-入院患児への母親の付き添いが家族機能におよぼす影響の評価-"家族看護学研究. 6・1. 47 (2000)
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[Publications] 法橋尚宏: "看護におけるアメリカの常識,日本の非常識-質の高い小児看護を実践するために-"おおさかメディカル. 平成12年9月9日号. 1 (2000)
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[Publications] 法橋尚宏: "アメリカの管理医療と医療の効率性-医療保険におけるアメリカの常識,日本の非常識-"おおさかメディカル. 平成12年11月9日号. 2 (2000)
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[Publications] 村田恵子: "病いと共に生きる子どもの看護"メヂカルフレンド社. 351 (2000)
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[Publications] 幸田正孝: "WIBA2001年版-保健・医療・福祉の現代用語-"日本医療企画. 1037 (2001)
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[Publications] 杉下知子: "家族看護学入門"メヂカルフレンド社. 250 (2000)