2000 Fiscal Year Annual Research Report
感染看護専門看護婦を活用しMRSA保菌者の続発を終息させた看護管理者の実践の検討
Project/Area Number |
12771498
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
伊藤 道子 岩手県立大学, 看護学部, 講師 (30261671)
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Keywords | 感染看護 / 看護管理 / 専門看護婦 |
Research Abstract |
岩手県盛岡市内の2病院で感染看護専門看護婦(以下、専門看護婦)を活用し、MRSA保菌者の続発を終息させた看護管理者(以下、管理者)4人に面接調査を実施した。 その結果、管理者の言動は、専門看護婦の導入前に、導入後、導入した成果の3点に大別された。 専門看護婦導入前は、全管理者は自分の所属する感染予防対策について悩んだり、病院建築のために意見を述べていた。全国で初めて院内感染が証明された病院で、新病院建築を経験した時、今後このようなことで患者を苦しめることはさせたくないとし、多人数が次々と入る沐浴槽を廃止し、人数分のベビーバスと簡易に給湯できる設備を備えた。以上、感染予防担当の直接の職責ではなくても、各々の職位の時に、感染予防に関してどのようにしたら解決できるのかを考え、実践していた。また、流行を抑えることができなかった時、同じ県内に専門看護婦の存在を学会で知り、「うちの病院のスタッフは納得すればできるのです」と部下の利点を説明し、「わかるところだけでいいから助言してください」と、母性系の臨床経験のない専門看護婦を説得し、獲得していた。 専門看護婦導入後は、スタッフナース(以下、スタッフ)に、あらかじめ動機づけをしていた。また、成果が出るに従い、「やればできる」という自信がみられ、流行が終息すると「私たちは変わりました」と、言動がみられ、共に喜んでいた。 看護管理者は「専門看護婦は、看護管理者を助けている」としている。感染予防対策に関して、現状を正しく見て問題を推察し、管理者にの状況は不適切ではと感じていることを、感染予防の観点で解説し、解決策をともに考えていた。以上のことを成し得るには、看護管理者の方針を常に伝え、病院内の様子を知らせることが行われており、コミュニケーションが密にとられていた。
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