2000 Fiscal Year Annual Research Report
出産後一ヶ月間における母親の育児への適応パターンと育児不安との関連
Project/Area Number |
12771523
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
百田 由希子 広島大学, 医学部, 助手 (40314744)
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Keywords | 育児 / 不安 / 産褥期 / 新生児期 / 母親 / 適応過程 / 援助法 |
Research Abstract |
本研究の目的は,出産後の母親が育児に適応する過程において育児不安がどのように形成されるかを明らかにし、特に産褥期の育児の援助法を確立することである。平成12年度の計画では、育児不安に関する文献検討および資料の収集、公的大学病院で出産した母親を対象に面接調査を予定していた。その結果は以下の通りである。 1)文献検討;1995年から2000年の医学中央雑誌オンライン検索を行い、42件の文献および資料を分析対象とした。育児不安やその関連因子、母親の育児に関する心理について調査・研究はされているものの、そのほとんどが量的な研究であり、育児不安の内容や母親の育児過程を質的に言及したものは1件だけであった。施設から家庭へ戻る際、急増する育児不安への具体的な援助法を確立するためには育児不安の内容や母親の育児不安への対処行動がどのように形成されていくのかを記述的に分析し、明らかにしていく必要が確認できた。 2)面接調査;入院中および退院後の母親を対象に妊娠中の育児の準備や育児体験、子どもの理解やコミュニケーションの取り方を内容とする半構成型の面接を開始し、データを分析している途中である。 平成13年度は、引き続き退院後の母親を対象に不安や心配事が生まれる状況とその対処方法を中心とする面接データを取り、整理・分析を行いながら平成12年度のデータと合わせて、育児不安に関する内容を具体的に明らかにし、母親の育児の適応過程をパターン化し、特に産褥期の育児援助法を確立する予定である。
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