2001 Fiscal Year Annual Research Report
静的立位時における下腿三頭筋機能分担の解明およびその加齢変化の検討
Project/Area Number |
12780010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
政二 慶 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (30282510)
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Keywords | 姿勢動揺 / 筋電図 / 相互相関関数解析 / 周波数解析 / 高齢者 |
Research Abstract |
12年度は静的立位時の下腿三頭筋機能分担に関して、若齢健常成人を対象に、通常の静的立位時における下腿三頭筋活動の観察を中心として検討した。主たる知見は以下の通りである。 ・静的立位時には、ヒラメ筋の活動が最も大きく、次いで内側腓腹筋、外側腓腹筋であった。生理的筋横断面積を考慮した場合、足関節トルクへの貢献は60-80%程度がヒラメ筋によると推定された。また活動の様相は筋により異なり、ヒラメ筋および外側腓腹筋はほぼ一定の振幅で持続的に活動するのに対し、内側腓腹筋は相動的に活動することがわかった。ヒラメ筋および外側腓腹筋の持続的活動は、8-12Hz程度の周波数成分を多く含むことから、生理的振戦と類似の機序が主であると推測された。 ・筋活動と姿勢動揺の相互相関関数から、各筋の姿勢動揺への貢献を検討した。ヒラメ筋の変動は姿勢動揺との一致が比較的低く、内側腓腹筋の変動と姿勢動揺の一致は高かった。つまり内側腓腹筋活動により姿勢の調節がまかなわれており、ヒラメ筋は一定の活動により足関節スティフネスを高めることに貢献していることが推察された。 13年度は上記機構の加齢変化について検討した。 ・10から70歳代までの大集団を対象に、静的立位時の下腿三頭筋活動を調べた。同時に下腿筋量も調べ、姿勢動揺量との関連を検討した。その結果、下腿三頭筋活動に顕著な加齢変化は認められなかったが、拮抗筋である前脛骨筋活動には差異が見られた。また老化に伴い下腿筋量は減少するが、これに姿勢動揺の高周波成分増大が認められ、これが姿勢動揺の一般的加齢現象である軌跡長の増大の要因であることが明かとなった。
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