2001 Fiscal Year Annual Research Report
まちづくりをめざした地域スポーツ振興の戦略的ビジョンと課題
Project/Area Number |
12780028
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
長積 仁 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (80274190)
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Keywords | スポーツ振興 / まちづくり / スポーツ政策 / 総合型地域スポーツクラブ |
Research Abstract |
本研究の目的は、地域で取り組まれるスポーツ振興事業への取り組みやそこから生み出された様々な胎動を、単発的なものに留まらせるのではなく、継続的かつ長期的な「まちづくり」というエネルギーに変えるために、各地域がどのようなビジョンや戦略を持って事業に取り組んでいるのかを明らかにすることによって、スポーツ振興とまちづくりの有機的な関係やそのメカニズムを解明することにある。具体的には、地域が取り組むスポーツ振興事業において、その事業によって生み出されたムーブメントをまちづくりにどのようにつなげるのか、そして地域スポーツ振興とまちづくりという花と実をどの様にならせるのかという将来的なビジョンと具体的なアクションについて明らかにし、地域で展開されるスポーツ振興事業の有機的な連携やまちづくりをめざしたスポーツ振興の戦略的課題を関係性マーケティングという視点から検討することにあった。その結果、2年間の継続的なフィールドワークにおいて、次のことが明らかになった。まず、文部科学省によって策定されたスポーツ政策の意味づけと位置づけを再確認する必要がある。例えば、国によって策定された政策が「国→都道府県→市町村」という流れでトリクルダウンし、地方分権に委ねられるという構図ができあがっているため、往々にして地域の実態が反映されることなく、画一的で金太郎アメ型のスポーツ振興が施行される傾向にあるので、行政の役割や機能について再考すべき点がある。また地域振興を進める際に、行政組織において、継続的なスポーツ振興支援システムを確立する必要があるだろう。例えば、専門分野に対する低い理解という以前に、行政担当者の個人の熱意ややる気といったものにスポーツ振興の進捗が左右したり、個人的な資質に依拠しすぎ、行政組織が蓄えるべき組織知がストックされていないということなどがあげられる。今後、施行された政策の評価を視野に入れ、客観的評価の導入と同時に、その内容や地域変容の様相を的確に捉えるべきであろう。
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