2000 Fiscal Year Annual Research Report
運動・スポーツに対する自己効力感と自尊感情の関係について
Project/Area Number |
12780033
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Research Institution | Hokusei Gakuen University |
Principal Investigator |
蓑内 豊 北星学園大学, 助教授 (50239331)
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Keywords | 自尊感情 / 自己効力感 / 身体的自己概念 / 多面的階層性モデル / 運動 / スポーツ / 般化 / 重要性 / 運動と自己概念モデル |
Research Abstract |
自尊感情が多面的で階層性を持つ構造をしているというモデルに則り,運動やスポーツを行うことが自尊感情やその構成要素にどのように影響するのかを調べるため,その準備段階として質問紙の作成と一部分の調査を行った。 まず,自尊感情を構成する一要因として,本研究で焦点を当てる「身体」の領域についての質問紙である「身体的自己概念尺度」を作成した。予備調査により項目を絞り,「身体全般」3,「運動/スポーツ」3,「体力」3,「体調」3,「身体的魅力」3の計15項目となった。大学生および高齢者を対象として調査結果から,尺度の信頼性,妥当性,モデルの妥当性などが検証された。自尊感情には「身体全般」が最も強く影響し,「運動/スポーツ」や「体調」も影響することが分かった。 次に,この「身体的自己概念尺度」と自尊感情の関係に影響する要因として,重要性に焦点を当てた調査を行った。この結果,重要であると認知している領域の得点とその上位概念の得点の相関が高く,自己概念の般化には各領域に対する重要性の認知が影響することが示唆された。 また,高齢者の体力と自尊感情の関連についても調査した。その結果,体力は自尊感情には直接的には影響しないが,身体的自己概念の各尺度(身体全般,筋力,体調)を通して,間接的に影響していることが分かった。これらは,多面的階層性モデルを支持する結果であった。 現在は,運動/スポーツに対する自己効力感尺度の作成を準備している段階である。
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