2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12780036
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
村山 光義 慶應義塾大学, 体育研究所, 専任講師 (20245632)
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Keywords | 筋硬度 / 筋張力 / 押し込み反力 / 摘出筋 / 強縮 / stiffness |
Research Abstract |
【目的】筋の硬度変化は、生体表面からの押し込みや振動に対する反応から捉えられてきている。このため、筋の硬さ評価は筋線維自体の変化のほか、皮下組織の影響、血流の変化等の循環要因といった諸要素を複合的に含んでいる。触診の模倣を測定基礎に置けば、各要素は同時に「筋硬度」に関連しているが、硬度変化の生理学的機序や筋の粘弾性特性を考慮すれば、各要素を分離して検討する必要がある。特に、循環要因を除いた筋組織の硬さ要素を、筋の伸張・収縮特性との関連で調べることは生体表面押圧の結果の評価に重要と考える。そこで、本年度はまず、カエルの脚筋を用い、筋腹への垂直押圧時の変位と反力と長軸方向の張力変化との対応関係を中心に検討した。なお、筋疲労時の硬度変化についても検討を進めたが、継続調査中であり、次年度に報告する。 【方法】摘出筋と固定:ウシガエルの腓腹筋を神経筋試料作成手順に従い摘出し、Ringer液を満たしたチャンバ内に固定した。張力計測は、マニピユレータに連結したForce Transducerで行った。筋硬度測定:機械刺激装置(DPM-280;Diamedical System Co.Ltd)による筋腹への押し込み反力計測(押し込み量3.5mm;圧子φ3mm;押し込み速度7mm/sec)。張力変化と筋硬度の関係:<実験1>マニピユレータで1mm毎の伸張を繰り返し、随時、押し込み反力を計測した。<実験2>静止長において、チャンバ内の白金電極により10Hzから40Hzのランダムな電気刺激を行い、強縮時の収縮張力と押し込み反力を計測した。 【結果と考察】伸張時の張力増加とともに、押し込み反力も増加を示し、張力と押し込み反力の関係は、直線的傾向を示した。伸張張力同様に、収縮張力の大小に、押し込み反力も比例関係を示し、収縮張力と押し込み反力にも直線関係が見出せた。これらの張力発生は連結橋形成などの筋長軸方向の生理学的現象に依存すると考える。このstiffness変化が横軸方向からの押し込みによって評価した「硬さ」にも反映することが示された。つまり、硬さ情報から筋線維自体の生理的変化を推定できる可能性がある。
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Research Products
(2 results)