2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12780043
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
水村 信二 明治大学, 文学部, 講師 (50267358)
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Keywords | Precision decomposition / 運動単位 / 動員閾値 / 発射頻度 / 四極ワイヤー電極 |
Research Abstract |
最近リハビリテーション医学の分野では、神経・筋疾患患者の運動単位発射様式を調べるため、"Precision Decomposition technique"(De Luca 1983)という手法が用いられている。この手法では、四極針電極と呼ばれる特殊な針電極を筋内に刺入した状態で3組の筋内電気信号をそれぞれ双極導出することによって、個々の運動単位活動電位発射列を正確に同定するものである。この手法が、他の運動単位解析システムより優れている点は、「等尺性随意最大収縮時の力レベルまで正確に運動単位発射様式を解析できる」ことにある。 そこで本研究は、ヒト随意運動中における神経制御メカニズムの一端を明らかにするため、precision decomposition techniqueを用いて"すばやくかつ高レベルな力発揮"時における運動単位の動員閾値および発火頻度を正確に解析することを目的としている。本年度は、すばやい力発揮中においてprecision decomposition techniqueを適用するための工夫を中心に研究を遂行した。その結果の概要を以下に報告する。 等尺性の力発揮であっても、筋は実際には短縮する。これはinternal shorteningと呼ばれる現象である。これは大筋においてより顕著であることも知られている。四極針電極を用いた予備実験では、急激な筋の内的短縮をともなう等尺性のすばやい力発揮では、筋収縮中に針電極と筋との位置関係が急激に変化してしまい、正確な解析ができなかった。そこで、申請者は、ワイヤー状の四極電極を特注し、更なる実験をおこなった。 その結果、ワイヤーケーブルよりも直径の大きな電極先端が筋収縮の際にアンカーの役割を果たすようになったことから、急激な筋の内的収縮をともなうすばやい力発揮時にも、運動単位の発射動態を解析できることが確かめられた。
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Research Products
(1 results)