2000 Fiscal Year Annual Research Report
高温低湿時の乳幼児の肌の特性と湿度の変化が乳幼児衣料の物性に与える影響
Project/Area Number |
12780074
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
井上 真理 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (20294184)
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Keywords | 圧縮特性 / 表面摩擦係数 / 表面粗さ / 水分率 / 乳幼児 / アトピー体質 |
Research Abstract |
1 普通肌、アトピー体質それぞれ1名の乳幼児の肌の特性測定を行った。乳幼児は特に汗をかきやすいことから、発汗を想定した90%RH(高湿度)、繊維製品の標準条件である65%RH、乾燥肌になりやすい冬季の気候を想定した40%RH(低湿度)の3条件を取り上げた。温度は20℃とした。 ハンディー圧縮試験機によって圧縮特性を、表面摩擦試験機KES-SEによって表面摩擦特性を測定した。平成12年度購入した表面粗さ測定用アタッチメントのKES-SEへの装着により、表面粗さを精密に捉えた。 表面摩擦特性および表面粗さ特性については、ここまでの研究で、普通肌とアトピー体質の乳幼児の肌の性質というよりも、肌の水分率の影響が大きいことが予測されるので、肌の水分率と比較しながらの測定をさらに進めて行く。今後は引張り特性の測定を加えるとともに、人数を増やして測定を行う予定である。 2 比較対象として普通肌の成人1名の肌の特性について、乳幼児の肌と同様の測定を行った。その結果、乳幼児の普通肌の圧縮特性は普通肌の成人に比べて弾力性に富んでいることが明らかになった。成人についてもさらに人数を増やし、測定を行う予定である。 3 肌着を含む乳幼児衣料を、特に綿素材を中心として20種収集した。当初、種々の素材を試料として想定していたが、乳幼児衣料の大部分は綿または綿の混紡を素材としていることから、肌着・Tシャツ地、ブラウス地、トレーナー地など、織構造または編構造の異なる種々の布を試料とすることとした。物理特性の測定と風合い計算、および熱水分移動特性の測定を今後行うとともに、水洗濯による特性変化の影響を捉える予定である。
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