2000 Fiscal Year Annual Research Report
社会福祉領域におけるサービス利用者及び提供者の相互関連
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12780080
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
伊藤 純 昭和女子大学, 生活科学部, 講師 (20322456)
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Keywords | 介護保険 / 特別養護老人ホーム / 食事サービス / サービス利用者 / サービス提供者 / 選択食 / 業務委託 / 生活の質 |
Research Abstract |
1、研究目的:介護保険法により、特別養護老人ホーム(以下、特養)は介護老人福祉施設に位置付けられ、措置から利用者の選択・自由契約を前提に運営されるようになった。第三者によるサービス評価も特養選択の指標の一つとして注目されている。そのような背景から、特養利用者にとって楽しみの一つであり、生命活動そのものの援助でもある食事についても一層のサービス向上が求められている。本報告の目的は、演者が2000年に実施した特養における食事サービスに関する調査結果の一部を用い、介護保険制度下の特養における食事サービスの現状を明らかにし、利用者中心のサービスのあり方及びサービスの質の向上について検討することである。 2、研究方法:「東京都社会福祉施設等一覧(2000年版)」に掲載されている東京都内の全特養302施設のうち、島嶼都を除く297施設に対してアンケート(郵送調査法)を行い、分析した。調査用紙記入期間は2000年8月24から同年9月13日、質問の種類は10項目であった。 3、平成12年度に得ちれた知見:調査協力施設数、有効回答施設数ともに92施設。施設の規模を定員別にみると、100人未満の施設49、100人以上199未満の施設40、200人以上の施設3であり、入所者の要介護度別割合は、要介護度Iが15.7%、IIが16.4%、IIIが21.0%、IVが27.3%、Vが17.8%、その他(自立)が1.70%であった。また、「今後食事サービスの向上のために重視したいこと」の上位には「個々の健康状態に応じた食事の提供」「選択食の実施」が上がっており、選択食は65.2%の施設が実施していた。これらのデータから、特養において利用者の個別性の尊重が、食事サービスの質を高める上で重要であることが明らかになった。平成13年度は施設への訪問調査を中心にさらに分析を深めてゆきたい。
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