2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12780102
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Research Institution | Yamanashi Women's Junior College |
Principal Investigator |
小竹 佐知子 山梨県立女子短期大学, その他部局等, 助教授 (60233540)
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Keywords | 拡散 / 香気成分 / 香気 |
Research Abstract |
粘稠性のある食品のモデル系試料として、0〜15%濃度のデンプンゾル(粘度3.7Pas以下)および油相体積分率0.3に調製して粘度を変えたエマルション(粘度2.1Pas以下)を用い、香気成分には油-水間の平衡分散係数K_<ow>と空気-水間の平衡分配係数K_<aw>が大きく異なるdiacetyl(K_<ow>=0.3、K_<aw>=1.6×10^<-3>)および2-heptanoe(K_<ow>=52.0、K_<aw>=11.6×10^<-3>)の2種類を、各モデル試料での濃度が0〜20ppm濃度となるように添加した。各試料5mlをパネル(平均年齢25.6歳)に供試して0〜2分間咀嚼させ、咀嚼中の放散香気をテナックスチューブ(2,6-diphenyl-p-phenylene oxide、35/60mesh)に補集し、ガスクロマトグラフィー(Carlo Erba MEGA 5300、検出器 FID、カラム Supelcowax10(60m×0.25mm i.d.)、温度 40℃4分間→95℃(2℃/min)→272℃(6℃/min)、ガス流量 He 1ml/min)により放散量を測定した。両香気成分とも、咀嚼時間に伴って放散量は増加していったが、放散量の傾向は香気成分によって異なっていた。すなわち、油溶性の2-heptanoneの放散は試料粘度に依存しなかったが、水溶性のdiacetylの放散は粘稠性の高い試料からの方が多かった。また咀嚼中のパネルの唾液は、咀嚼時間に伴って分泌量が増加し、粘稠性の高い試料の場合の方が、その分泌量は高かった。さらに、同試料を口腔咀嚼モデル器により、人口唾液を試料用容量に対して0〜200%添加した際の香気を0〜2分間補集した結果、パネルによる香気放散傾向と同様の結果が得られ、口腔咀嚼モデルが実際のパネルの咀嚼時の香気放散現象を再現していることが確認された。
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