2000 Fiscal Year Annual Research Report
イギリスCASEプログラムにおける科学教材配列と常識知の発達
Project/Area Number |
12780117
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
隅田 学 愛媛大学, 教育学部, 助教授 (50315347)
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Keywords | CASEプログラム / 科学教材配列 / 新しい学習論 |
Research Abstract |
我が国の場合,学習者の認知発達の観点からの理科教材配列に対する議論が大きく立ち後れている。本研究では,今年度,日本科学教育学会年会にて,「イギリスCASEプログラムに見られる理科教授の教科横断効果-理科を学ぶと数学や国語の成績も良くなる?-」というタイトルで発表を行い,イギリスCASEプログラムの特徴とその実績を紹介し,従来の認知発達と理科教材配列の関係に問題提起を行った。そこでは,学習者の認知レベルから理科教材配列が検討されており,新しい学習理論の一つとして注目を浴びた。また,関連する調査データの分析結果は,日本理科教育学会全国大会にて,「理科学習による概念変化における存在論的推論の役割」というタイトルで発表し,新しい学習論を提起した。ここで提起された枠組みから,授業分析等様々な発展可能性が示唆された。 そうした成果は,「理科の教育」誌に,「学習論研究の成果に基づいた理科教材配列の視点」としてまとめて発表された。 さらに,イギリスへ渡航し,CASEプログラム本部であるキングスカレッジロンドンのフィリップエイディ教授と研究協議,資料収集を行った。CASE本部には,そこでなければ入手不可能な貴重な資料が多く存在し,多くの有用な資料や情報が得られた。 こうした現場密着型のカリキュラム開発・実践は,常にその普及に関わる問題が存在する。そこで,CASEに関連するワークショップに参加し,その現場での利用可能性や実践の効果について教師達と率直な意見交流を行った。
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