2000 Fiscal Year Annual Research Report
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12780127
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
稲葉 晶子 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10304049)
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Keywords | 協調学習 / CSCL / 遠隔学習 / オントロジー / 学習理論 / インストラクショナルデザイン / 設計支援 / グループ形成 |
Research Abstract |
本年度は、学習グループの構成員としてどのような状態の学習者を配置すべきかを整理し、学習者の状態に応じたグループを設計するシステムの開発を行なった。また協調学習過程における学習者の振舞いを整理した。これらの整理した結果を国内、国外で発表し、広く意見を求めた。 (1)協調学習中に学習者が行う行為の整理 協調学習過程において学習者は、自己の思考過程の外化、他者の状態のモニタリング、課題に対する解法の適用など、様々な行為を行う。これらを、学習課題解決のための行為と協調活動のための行為に分割し、学習理論に基づいて整理した。 (2)協調学習グループにおける学習者の役割分類 学習者が協調学習グループに参加する時、相互作用する相手との関係においてグループ内での役割が決まる。例えば"自己の問題解決戦略の外化"という行為を行う学習者は、"当該問題解決戦略を知らない"学習者と相互作用することによって、"チュータ"の役割を果たす。この"学習者の役割"を学習理論から抽出し、整理した。 (3)学習者の状態に応じたグループ構成を支援するシステムの開発 (1)で整理した行為のうち、協調活動のための行為に関して、学習目的と行為との関連を整理した。それに基づき、学習者の状態を入力することにより、当該学習者に対し適切な学習目的および、適切なグループ構成、その中での学習者の役割を出力するシステムのプロトタイプを開発した。システムは、学習理論に基づくオントロジーを内部に持ち、それに従って学習グループを構成する。このシステムを用いて教師を被調査者として評価を行なった。その結果、インストラクショナルデザインにおいて教師に有益なデザインパターンを示すものであるという評価が得られた。しかしながら、システムで用いる用語が難解である、操作がわかりにくいなどの問題点を有しており、今後改善が必要である。改善ならびに追加機能に関して、評価を通じて有益な示唆が得られた。 以上の成果を国際会議等において広く公表し、今後のネットワーク社会における協調活動のデザインのために有益な研究成果であるとして高い評価を得た。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 稲葉晶子 他: "学習理論に基づく協調学習グループ構成のための学習目的オントロジー"電子情報通信学会論文誌. J83-D-I(6). 569-579 (2000)
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[Publications] A.Inaba, et al.: "Is a Learning Theory Harmonious with others?"Proc.of International Conference on Computers in Education 2000. 999-1006 (2000)
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[Publications] A.Inaba, et al.: "How Can We Form Effective Collaborative Learnning Groups?"Proc.of International Conference on Intelligent Tutoring Systems 2000. 282-291 (2000)
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[Publications] A.Inaba, et al.: "Learning Goal Ontology to Form Effective Learning Groups"Proc.of International Workshop on New Technologies for Collaborative Learning 2000. 25-32 (2000)
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[Publications] A.Inaba, et al.: "An overview of "Learning Goal Ontology""Proc.of European Conference on Artificial Intelligence 2000 Workshop on Analysis and Modelling of Collaborative Learning. 23-30 (2000)
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[Publications] A.Inaba, et al.: "Design and Analysis of Learners' Interaction based on Collaborative Learning Ontology"Proc.of European Conference on Computer Supported Collaborative Learning 2001. (発表予定). (2001)