2000 Fiscal Year Annual Research Report
日・独学際的カリキュラムの比較研究-多元美学教育における<統合>と<即興>の理論と実践
Project/Area Number |
12780148
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
中地 雅之 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (30250640)
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Keywords | カリキュラム / 音楽科教育 / 比較研究 / 教科横断的学習 / ドイツ |
Research Abstract |
本年度は、ドイツ語圏の学際的カリキュラムに関して、オーストリアの前期中等教育段階を中心に、その基準教育課程と音楽教科書を分析的に考察した。まず、前期中等教育段階における基準教育課程<音楽教育>において、音楽から他の表現媒体の変換を行う<転換Transformation>がどのように取り上げられているかを<歌唱><器楽><理論><音楽づくり>の4つ領域から分析した。その結果、オーストリアの基準教育課程における音楽と他の表現媒体との横断的関連が、1)基礎的音楽概念の理解助成、2)音楽演奏への補助、3)音楽的受容・音楽聴の深化、4)即興表現・創作への展開、5)総合的文化・芸術の知識理解、6)音楽から他の表現媒体への発展、の6つの内容に類型化できると考察した(11研究発表を参照)。さらに、それらの実践的展開例として、オーストリアの音楽教科書<Spielraeume><Hoeren und Gestalten>の諸資料を収集し、絵画・造形・映像等、視覚的要素と音楽との関連する内容の分析を現在進めている。 上述の文献的研究と平行して、オーストリアのザルツカンマーグートで開催された、多元美学教育・統合的音楽教育国際学会のシンポジウムにおいて、日本の伝承遊びうたである<わらべうた>にみられる、統合的音楽教育への発展の可能性関し口頭発表を行った。また、日本オルフ音楽教育研究会の夏期セミナーにおいて、他の会員6名と中原中也の3つの詩による、朗読・身体表現・打楽器・ピアノによる総合的即興表現を発表した。以上が、本年度の研究実績の概要である。
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Research Products
(1 results)