2000 Fiscal Year Annual Research Report
パラ言語及び非言語的側面から見た日本語学習者のあいづちに関する研究
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12780164
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
ナイト 貴子 (戸田 貴子) 早稲田大学, 日本語研究教育センター, 講師 (30292486)
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Keywords | 日本語教育 / あいづち / 談話分析 / 音声分析 / ポーズ / 発話機能 / 発話速度 / 発話の重なり |
Research Abstract |
本研究の目的は、談話におけるあいづちのパラ言語的側面を明らかにし、日本語学習者のための発音指導シラバスにフィードバックすることである。本年度は、基礎データとなる日本語話者の談話を分析し、研究成果を発表した。 まず、調査協力者(大学生4人)がA・Bペアになり、ビデオの前・後半を別々の部屋で観た後、内容を相手に伝えた。この際、話し手と聞き手の言語行動をデジタルビデオカメラに収録し、DAT録音機で音声分析用データを録音した。その後、データの文字化と談話分析を行い、音声解析ソフトを用いて持続時間を測定した。また、すべての発話(合計474、A:248;B:226)について、発話機能のラベリングを行った。情報提供以外の「実質的な発話」には、会話の導入部で情報交換を始める際の共同行為要求、会話半ばの話者交替では、情報要求や意思表示が見られた。また、「あいづち的な発話」には、継続、同意、承認、確認、興味、終了などの注目表示が見られた。 調査の結果、発話持続時間中のあいづちの使用頻度は、平均3秒に1回であることが分かった。会話全体の発話時間に対するポーズの割合は、A、Bそれぞれ8.6%と6.6%であった。また、ポーズは音響音声学的には無音区間であるが、「沈黙」のようにそれ自体が意味を持つ場合もある。今回、話し手と聞き手が談話を作り上げていく過程において現れるポーズに注目した結果、発話が重ならず、かつ前後に話者交替が見られない例が占める割合はAが63.3%、Bが57.7%であった。発話後のポーズは聞き手のあいづちと重なる傾向が強いが、重なりのないポーズの平均6割が、話し手が言いよどんだり、考えをまとめたりする間のポーズであることが分かった。このことから、話し手が情報を整理しつつ聞き手に伝え、また聞き手はこの間話し手が発話権を行使していることを理解し、あいづちを打たず次の発話を待つことが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.Quackenbush and T.Toda: "Perception of Foreign Words and Strategies for Creating Loanwords in Japanese-An Analysis based on Some Experimental Data of English, Chinese and Korean Speakers"New Directions in Japanese Linguistics, Japanese Studies : Communities, Cultures, Critiques. Vol.4. 42-56 (2000)
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[Publications] 戸田貴子: "日本語学習者による日本語の音声の知覚と生成"日本語音声教育の基礎と研究. 第一部 第二章(印刷中). (2001)
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[Publications] 戸田貴子: "日本語音声習得研究の展望"第二言語としての日本語の習得研究. 第4号(印刷中). (2001)
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[Publications] 戸田貴子: "発音指導がアクセントの知覚に与える影響について"早稲田大学日本語研究教育センター紀要. 第14号(印刷中). (2001)
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[Publications] 戸田貴子: "パラ言語的側面から見たあいづちに関する調査"日本語教育方法研究会会誌. 第7号2巻(印刷中). (2001)