2000 Fiscal Year Annual Research Report
標本抽出デザインを考慮した社会調査データの多変量解析
Project/Area Number |
12780180
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
前田 忠彦 統計数理研究所, 調査実験解析研究系, 助手 (10247257)
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Keywords | 社会調査 / 標本抽出法 / 二段サンプリング / デザイン効果 / 因子分析 / マルチレベル分析 / 日本人の国民性 / 郵送調査 |
Research Abstract |
本研究の目的は,社会調査データの解析において,標本抽出デザイン(特に二段抽出法)に合わせた分析を行うことの必要性とその効用を,多変量データ解析の文脈において考察することである。特に共分散構造モデル(因子分析モデル)に焦点を合わせ,実際の調査データの分析に基づき,二段サンプリングを仮定した場合の分析モデルの特定方法に関する実用的な知見を得ることを目的とする研究を行った。 平成12年度は,A)既存の社会調査データの解析による理論的な準備を行ったこと,および,B)解析により適した分析データを得るための郵送調査を行ったこと,の2点が主要な研究実績である。 A)については,統計数理研究所による過去5回にわたる「日本人の国民性調査」のデータを単変量的に解析し,二段抽出のデザイン効果が大きい項目の特徴抽出を行い,前田・中村(2000)に引き続く若干の結果を前田(2000)に発表した。本結果をB)で行った郵送調査の項目選定に生かした他,これに関連してマルチレベル分析の文脈で提案されている各種分析手法に関するレビューを行った。 B)としては,東京都,埼玉県,千葉県,茨城県の有権者を対象とした郵送調査を行い(標本設計は層化二段無作為抽出,計画標本サイズ3250,回収率約60%),二段抽出モデルの分析に使い易い(地点数及び地点当りのサンプルサイズがある程度大きい)データの取得に成功した。調査結果の報告書は統計数理研究所研究リポートとして2001年8月頃に公表予定である。
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[Publications] 前田忠彦,中村隆: "近年5回の国民性調査の標本設計と標本精度について"統計数理. 48巻1号. 147-178 (2000)
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[Publications] 前田忠彦: "国民性調査における調査精度の経時的比較"日本行動計量学会第28回大会発表論文抄録集. (28). 195-198 (2000)
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[Publications] 前田忠彦(日本人の国民性2000年度吟味調査実施委員会): "「日本人の国民性 2000年度吟味調査(郵送調査)」報告書(統計数理研究所 研究リポート)"統計数理研究所(出版予定). (2001)