2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12780264
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鶴岡 弘 東京大学, 地震研究所, 助手 (10280562)
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Keywords | データマイニング / 地震カタログ / 地震発生モデル / KeyGraph / 発見科学 / JUNEC |
Research Abstract |
データマイニングによる地震発生の予測は,国内外にわたり研究例が非常に少ないため,平成12年度においては,地震発生予測に適用可能なアルゴリズムの調査とその検討を主に実施した.調査・検討の結果,平成10年度から展開されている巨大学術社会情報からの知識発見に関する基礎研究(科研費特定研究(A))により開発されているアルゴリズムの適応可能性を検討した.特に,KeyGraphというキーワード抽出ツールを用いてすでに地震危険断層を発見する試みが行われているため,その解析結果について地震学的な評価を行った.KeyGraphは文章から著者が主張するキーワードを自動的に抽出するアルゴリズムであり,それを地震の危険断層抽出する手法に適用しているため,地震学的には直感的に理解しづらい.この手法と震源カタログ(JUNEC)による結果は興味深いが,以下のような地震学的に解決する問題点があった. (1)地域により異なる地震検出能力の不均質性の検討 (2)地震発生の予測誤差について(どの程度の時間スケールの評価を行っているかについての検討) (3)地震発生原因がすべて活断層 また,データマイニングにあたり,地震発生モデルの必要性があることがわかった.データマイニングにより,大量のデータから必要なルールを自動的に抽出できるのあるが,予測問題は,予測モデルを仮定する必要がある.データマイニングのアルゴリズムはそのモデルとルールとの誤差を最小化する時に本来の能力を発揮するアルゴリズムであることがわかった.
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