2000 Fiscal Year Annual Research Report
感性自律ロボットとの自己目的的な音声対話に関する研究
Project/Area Number |
12780279
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
西本 卓也 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (80283696)
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Keywords | 自己目的性 / 楽しさ / 感性 / 自律ロボット / 音声対話 / 擬人化エージェント / フロー理論 |
Research Abstract |
本研究課題は、自己目的的な楽しさの認知科学的モデルに基づいて、人間に多くの楽しさをもたらす自律型キャラクターの構成について、主に音声対話の面から検討を行うものである。本年度は以下の研究を行った。 (1)模擬対話が可能な自律キャラクターの動作環境の整備を行い、特に音声入出力およびキャラクター画像の制御に関する検討を行った。対話の記述方法にはVoiceXMLを使用することとし、プロトタイプ処理系によって技術的な検証を行った。VoiceXMLは音声対話システムの標準技術として注目されているが、このVoiceXMLを使用することにより、本研究の模擬対話においてはキーボードなどの代替手段で制御を行うことができ、音声入力を用いた対話システムへの拡張も容易であることを確認した。また、擬人化CGエージェント制御部と対話処理系との統合方法について検討を行った。 (2)音声対話における挑戦と技能の制御方法の検討を行った。特にフロー体験モデルにおける挑戦と技能を制御しやすいタスクとして、音声を用いたタッチタイピング練習とタイピング技能評価のためのシステムを開発した。また、視覚障害者と晴眼者との間でタイピング練習の過程が異なることに注目し、被験者実験計画の検討を行った。 (3)フロー状態の有無を適切に判断する方法について検討した。特に対話実験における被験者の履歴を分析するためにビデオ処理などのツール整備を行った。 さらに「ユーザが音声認識をいかに信頼するか」といった観点から信頼理論・進化ゲーム理論と本研究課題との関連性について考察を行った。これらにより、次年度の研究として、タッチタイピング練習と放送コンテンツ製作支援という2つのアプリケーションにおいて、キャラクターの個性の持たせ方、システムに対するユーザの楽しみ方、などの観点から検討を行うために必要な環境整備が実現できた。
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