2001 Fiscal Year Annual Research Report
逆問題解法のためのニューラルネットワークおよび画像復元問題への応用に関する研究
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12780292
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
小川 毅彦 拓殖大学, 工学部, 講師 (50297090)
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Keywords | 逆問題 / ニューラルネットワーク / ネットワークインバージョン / 画像復元 / 複合材料 / 衝撃音 / 弾性定数 |
Research Abstract |
本年度は,多層型ニューラルネットワークを用いた逆問題解法の1つであるネットワークインバージョンの手法の応用として,昨年度に引き続き画像復元の問題と,さらに,複合材料の弾性定数推定の問題を採り上げて研究を行った. 伝送系によって劣化した画像を復元するための画像復元の問題は重要であり,様々な方法が研究されてきた.画像復元の問題は画像劣化過程に対する,一種の逆問題と考えることができる.本年度は昨年度に引き続き,画像復元のためのインバージョンネットワークを構成し,計算機上で画像復元シミュレーションによる研究を行った.なお本年度は,実際の画像復元処理を期待されている複合材料の亀裂画像や弾丸による連続破壊画像等を対象として研究を行った.その結果,本手法によって実際に要求される画像復元処理が可能であることを示した. 高温状態の複合材料の弾性定数を,複合材料に与えた衝撃音の波形解析によって求める方法が材料工学の分野で提案されている.この手法において,衝撃音の振動固有周波数から複合材料の弾性定数を求める問題は一種の逆問題である.本年度はこの問題に逆問題解法のためのインバージョンネットワークを適用し,主に計算機上でシミュレーションによる研究を行った.この振動固有周波数からの弾性定数推定は,従来は数値的解法が用いられてきたが,ニューラルネットワークの学習による効果により,従来法による結果よりも実際の特性に近い弾性定数推定値が得られた. 以上,本年度は昨年度まで検証してきた逆問題解法のためのニューラルネットワーク手法を,実際の問題に適用して効果を示した.これによって昨年度まで検証を行ってきた手法が,実際の様々な問題に対して有効であることがわかった.
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[Publications] H. Kanada, T. Ogawa, K. Mori, M. Sakata: "A Study on Analysis of Impact Sound Waveform by Answer -in-Weights Ne ural Network"計測自動制御学会論文集. Vol.37,No.12. 1186-1188 (2001)
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[Publications] 小川毅彦, 実川直樹, 金田一, 森きよみ: "ニューラルネットを用いた複合材料の弾性定数の推定"第22回超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム講演予稿集. 203-204 (2001)
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[Publications] A. Itoh, T. Yoshida, Y. Fukouzu, T. Ogawa: "Precise Visual Perception Model Based on Psychological Experiments"Proc. of the IASTED VIIP2001. 134-139 (2001)