2000 Fiscal Year Annual Research Report
製品開発における設計/製造統合化知識の再利用に関する研究
Project/Area Number |
12780294
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
西岡 靖之 法政大学, 工学部, 専任講師 (50287471)
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Keywords | 製品開発 / 製造プロセス / 概念設計 / PDM / 設計知識 / 設計支援システム |
Research Abstract |
本年度は、実際に製品開発を行っているベンチャー企業に対して、その業務内容の詳細な調査を行い、製品開発における重要な要素の洗い出しを行った。その結果、製品開発では、既存の製品がもつ部品や機能をできるだけ多く流用することが重要であること、企業が持たない要素技術をいかに外部から検索し、その仕様の特定と購入先の絞り込みが重要であること、そして、製品のコストを決定する要因として、標準部品の選択と内作によるコストダウンの比率を高めることが重要であることという3点を挙げることができた。そこで、本年度は、まず、現状の製品・部品およびそれらの機能に関する情報を整理するために、パソコンをベースとしたPDM(Product Data Management)の試作を行った。試作したPDMは、図面など製品の形状に関する情報と、製造方法に関する情報を併せ持ち、さらに製造原価や購入価格などの情報も併せ持っている。製品開発では、このPDM情報を利用して、その企業がもつ既存の部品やや製造プロセスを最大限活用することができると期待される。本研究では、理論研究というよりもむしろ実証研究の要素が強いために、現実のデータを部分的に変換して実験に用いるのではなく、当初から現実のデータを利用して作業を進めてきた。本年度行った作業により、工場全体の製品管理データが、製品設計にも製造プロセス設計にも利用できる状態まで整備できた。来年度は、開発したPDMシステムをベースとして、新製品の設計時に設計者がとったプロセスをもとに、より概念レベルに近い部分の支援をどこまでおこなえるかを調べていく予定である。
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