2000 Fiscal Year Annual Research Report
組合せ最適化問題に対する半正定値計画緩和と線形計画緩和
Project/Area Number |
12780337
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Research Institution | Kobe University of Commerce |
Principal Investigator |
藤江 哲也 神戸商科大学, 商経学部, 助手 (40305678)
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Keywords | 一般化安定集合問題 / 半正定値計画緩和 / 組合せ最適化 |
Research Abstract |
最大安定集合問題に対する半正定値計画緩和の緒結果を一般化安定集合問題へと拡張した.最大安定集合問題とは,安定集合とよばれる無向グラフの頂点部分集合の中でその要素数が最大のものを求める問題であり,有名なNP困難問題である.この問題は,安定集合多面体とよばれる多面体の上で線形関数を最大化することと同値であり,安定集合多面体に関する研究が数多く行われている.Grotschel,Lovasz and Schrijverによって提案された半正定値計画緩和は,安定集合多面体を含む凸集合上の最大化問題と等価である.そして,perfectグラフに対する最大安定集合問題は多項式時間で解けること,凸集合が多面体であるための必要十分条件はグラフがperfectであること等が示された. 一般化安定集合問題は,各制約式が二個の変数からなる0-1整数計画問題のことで,最大安定集合問題の一般化である.また,perfectグラフの拡張として,biperfectグラフが定義される.一般化安定集合問題の半正定値計画緩和は報告者によって既に導入されており,biperfectグラフに対する一般化安定集合問題は多項式時間で解けることは示されていた.そして未解決であった,凸集合が多面体であるための必要十分条件はグラフがbiperfectであることを示したことが主な結果である. 半正定値計画緩和の導入は,最大安定集合問題の場合の自然な拡張であった.しかし,今回の主結果は命題自身は単なる拡張であっても,証明は拡張できない.そこで,Fujie and Kojimaによる半正定値計画緩和の凸二次不等式表現を用いて証明を与えることができた.また我々の証明方法を最大安定集合問題に限定すると,既存の証明とは異なる,より単純な新証明が得られた.
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