2000 Fiscal Year Annual Research Report
核融合炉用超伝導マグネットにおける極低温冷媒の核反応に関する研究
Project/Area Number |
12780370
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
高畑 一也 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (10216773)
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Keywords | 核融合炉 / 超伝導マグネット / 極低温冷媒 / 核反応 / 放射性核種 |
Research Abstract |
磁場閉じ込め方式核融合炉に使用される超伝導マグネットでは大量の極低温冷媒が使用される。この冷媒に対する中性子照射による核反応生成物を評価した。仮定として冷媒の体積を100m^3とし,超臨界圧ヘリウムと液体窒素について計算した。液体窒素は将来のマグネットの冷媒として有望とされている。中性子束についてはSSTRの計算結果を使用した。まずヘリウムについて問題となる反応は^3He(n,p)^3Hである。^3Heはヘリウム中に0.1ppmの微量で存在する。1年間の照射に対し,発生する^3Hは9MBqとなる。一方濃度は0.6Bq/gとなる。この反応は低速中性子に対しても断面積があり,一方計算では高速中性子のみ考慮した。従って放射能は1桁大きい値になる可能性もある。しかしながら放射線障害防止法の定める規制量(濃度)74Bq/gは超えないと考えられる。従ってヘリウムは放射化の少ない冷媒と言える。次に窒素について検討した。問題となる反応は^<14>N(n,2n)^<13>Nと^<14>N(n,p)^<14>Cである。^<14>Nの濃度はほとんど100%であるため,放射性核種は総量で35GBqとなった。濃度も規制値を超える。窒素を冷媒に使用する場合には規制を受けることは避けられない。本研究では対応として,窒素を閉サイクルで使用すること,半減期の長い^<14>Cについては回収装置を設置することを提案する。回収装置として,炭素の化合物が窒素より凝固点が高いことを利用することを提案し,模擬装置を設計・製作した。今後この装置の実証試験を行う。
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