2001 Fiscal Year Annual Research Report
接線X線カメラを用いたプラズマ中のアイランド形成と輸送の研究
Project/Area Number |
12780373
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
大舘 暁 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (00270489)
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Keywords | 2次元X線計測 / MHD揺動 / LHD |
Research Abstract |
接線X線カメラは接線方向からプラズマのX線像を撮影することを目標に開発しているもので、プラズマ中の揺動やそれに伴う磁気アイランドが磁力線に平行な構造を持っていることから高い空間解像度が期待できる。本研究では大口径(径10cm)のシンチレータを使った軟X線→可視光変換を行い高速のレスポンスを得た。平成13年度の実験シリーズから順調に稼動をはじめており現在までに128x128の解像度で13.5KHzのフレーミングレート、256x256の解像度で4.5kHzのフレーミングレートでの撮影に成功している。高速のビデオカメラを使うためダイナミックレンジが狭く(8bit)大振幅の不安定性の計測にかぎられている。本計測器の対象である大型ヘリカル装置(LHD)は、ヘリオトロンタイプの磁気閉じ込め方式の大型装置で大半径3.5-3.9m小半径0.4-0.6mである。LHDで磁気軸をやや内側に寄せた配位はプラズマの粒子軌道が良く、高い閉じ込め特性を示しているが、磁気丘配位になるため簡単に不安定性が励起される。ただし非線型の過程で飽和して不安定性による振動を示しながら定常状態になるケースが多い。本研究では世界ではじめて2次元のイメージとして以下の揺動現象を捕らえることができた。(1)ペレット入射直後に観測される時n/m=1/1の低周波振動。(2)1/q=1/2の有理面で起きる鋸歯状の振動現象。(3)外部から時間的に定常な1/q=1/1面のアイランドを作ることで、1/q=1/2の有理面に誘起される数KHzの振動現象。(3)では振動しながら、エネルギーが外に吐き出される過程がはっきり見えており、線形不安定の領域での揺動の飽和メカニズムについて重要な知見を得たと考えている。残念ながら本計測装置のもっとも得意とする、細かい空間構造を持つ高いn/mモード数の揺動、たとえば理論的に予言されているバルーニングモードの同定や磁気アイランドの直接の可視化には成功していない。実験サイクル中断直後の現時点では測定した実験データのごく一部しかくわしく解析できておらず、大量に取得した良好な測定データを整理すれば新しい物理現象が視野に入ってくる可能性は十分ある。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Ohdachi, K.Toi, et al.: "Tangentail soft x-ray camera for Large Helical Device"Review of Scientific Instruments. 72. 724-726 (2001)
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[Publications] 東井和夫, 大舘暁: "高速CCDを利用したMHD揺動の二次元像計測"核融合学会誌. 76. 1227-1265 (2000)