2001 Fiscal Year Annual Research Report
界面活性能を持つ新規蛍光試薬を用いる環境中でのアルミニウム動態解析法の高感度化
Project/Area Number |
12780394
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
布施 泰朗 京都工芸繊維大学, 工芸学部・文部科学技官教務職員 (90303932)
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Keywords | アルミニウム / 微量定量 / o, p, o'-Trihydroxyazobenzen / 化学種別定量 / 濃縮カラム |
Research Abstract |
1緒言 環境中の微量のアルミニウムが、水棲生物の死滅や森林衰退、さらには痴呆などの神経障害に関連することが明らかになっており、またその毒性はアルミニウムの化学種に依存することがわかっている。本研究では、アルミニウムを選択的に濃縮するカラムの開発を行い、河川水中アルミニウムの化学種別定量法に応用した。 2実験 アルミニウムと選択的に錯形成するo, p, o'-Trihydroxyazobenzen骨格を持つ両親媒性錯形成試薬5'-Chloro-5-dodecyl-2,4,2'-trihydroxyazobenzen(CDTA)を合成し、疎水多孔性樹脂であるアンバーライトXAD-4に担持させた。このCDTA担持樹脂をカラムに充填し、アルミニウムの濃縮に用いた。濃縮操作は、カラム本体を60℃の恒温槽中に設置し、1000mlの試料水を3.0ml/minで通過させた。吸着されたアルミニウムを溶出させるために10mlの2M塩酸を0.3ml/minで試料水とは逆方向に流し、溶出させた。この10mlの濃縮液を中和し、pH3.0,25mlとした。得られた25mlの濃縮液を既に開発したルモガリオンを用いた蛍光検出FIA法でアルミニウム濃度を定量した。また、既に開発したイオン交換体を用いたアルミニウムの化学種別定量法に適用する場合は、1000mlの試料水をイオン交換体に通し、その交換水の濃縮を行った。 3 結果と考察 各使用試薬のブランク値を正確に見積もることで100pptで標準偏差7.3%(n=5)とよい再現性を示し、主な妨害金属イオンである鉄イオンを共存させたとき[Al^<3+>]:[Fe^<3+>]=1:200までアルミニウムのカラム吸着に影響がなかった。また、アルミニウムの化学種別定量法に適応した結果、標準溶液を用いた場合には、アルミニウム化学種の平衡計算から得られた値と良い一致を示し、河川水試料を用いた場合にも十分な感度で化学種別に定量することができた。
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Research Products
(1 results)