2000 Fiscal Year Annual Research Report
放射線アポトーシスにおけるミトコンドリア膜透過性の制御機構
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12780406
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田村 奈緒子 (掘 奈緒子) 神戸大学, 医学部, 助手 (50311783)
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Keywords | 放射線アポトーシス / ミトコンドリア / Bax / Bcl-2 / Bcl-x_L |
Research Abstract |
本年度は細胞をアポトーシスに導くBaxという蛋白質とアポトーシスを抑制するBcl-2,Bcl-x_Lという蛋白質についてその役割を明確にするため,目的蛋白質を大量に得られる系を確立し,同蛋白質を哺乳類細胞で発現させ,ミトコンドリアへの局在化を確認した. 1.遺伝子操作による目的蛋白質の大量発現 大腸菌によってBaxおよびBcl-2とBcl-x_Lを高い純度で得られる発現系と精製系を確立した.遺伝子操作は,PCR装置と遺伝子導入装置を用いて行い,構築した大きなサイズを持つプラスミドを効率よく菌内に導入した.Bcl-2とBcl-x_LはHis6-tagとグリーンフルオレッセンスプロテイン(GFP),BaxはHis6-tagとブルーフルオレッセンスプロテイン(BFP)とのフュージョン蛋白質の形で発現させ,後の精製や膜への局在化の観察に有利なように工夫した.シークエンサーでDNA配列を確認後,蛋白質を発現させた.BaxとVDACというミトコンドリア上の蛋白質の相互作用が予測されたため,VDACの変異体および大量発現系の確立を計画し,進行中である. 2.Bcl-2の野生型の哺乳類細胞における発現 Bcl-2の野生型を蛍光標識蛋白質GFPと融合した形で哺乳類細胞中で大量発現させ,そのミトコンドリアへの局在化を蛍光顕微鏡により確認した.現在,Baxの発現とVDACとの結合に重要なドメインを明らかにするため変異体を作成中である.
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