2000 Fiscal Year Annual Research Report
高濃度油脂含有廃棄物の高温好気発酵処理過程における微生物相の遷移に関する研究
Project/Area Number |
12780414
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中野 和典 筑波大学, 応用生物化学系, 助手 (30292519)
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Keywords | 高温好気発酵 / 廃棄物処理 / 微生物相 / PCR-DGGE / 油脂 / 好熱菌 |
Research Abstract |
今年度は微生物相の変遷を追うための分子生態学的手法の確立および連続油脂分解プロセスを構築するための基礎実験を行うことを目的とし、以下の成果を得た。 1.固体発酵系である高温好気発酵の実験サンプルから核酸を抽出する手法を検討した結果、Benzyl Chloride法が核酸(DNA)回収率および操作の簡便さの観点から適当であると判断し、本研究において適用することにした。 2.微生物相の変遷を追うための手法として、16SリボゾームDNA(16SrDNA)をターゲットとしたユニバーサルプライマーを用いたPCR法により、抽出したDNAに含まれる種特異的な16SrDNAを増幅後、これをDGGE法で分離し、得られるバンドパターンから視覚的に微生物相の相違を判断する手法(PCR-DGGE法)について検討し、条件を確定した。 3.連続油脂分解プロセスについて検討するため、油脂投入サイクルや投入量の最適化を試みるた結果、本実験系における一回の限界油脂投入量および最短油脂投入サイクルを明らかにすることが出来た。 4.投入した油脂に対する最適な添加物量(無機態窒素、微量金属イオン、酵母エキス、脱水汚泥等)について現在検討を行っているが、油脂投入毎に一定量の添加が必要であることが示唆される結果が得られて来ている。今後連続処理プロセスにおける最適な添加物量についてさらに詳細を明らかにして行く。 次年度は初年度で確立した分子生態学的手法を利用して高温好気発酵による油脂分解過程における優占微生物種の変遷と栄養源要求性の関係を把握することに重点を置き、適当な添加物によって油脂分解速度が改善されるメカニズムを微生物相の変遷という観点で明らかにすることを試みる。
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