2001 Fiscal Year Annual Research Report
高濃度油脂含有廃棄物の高温好気発酵処理過程における微生物相の遷移に関する研究
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12780414
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中野 和典 筑波大学, 応用生物化学系, 助手 (30292519)
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Keywords | 高温好気発酵 / 廃棄物処理 / 微生物相 / PCR-DGGE / 油脂 / 好熱菌 / サプリメント |
Research Abstract |
分子生態学的手法(PCR-DGGE法)を利用して、高温好気発酵による油脂分解過程における優占微生物種の変遷を把握し、適当な栄養源(サプリメント)の添加によって油脂分解速度が高速化される現象についてのメカニズムを微生物相の観点から明らかにすることを目的とし、以下の成果を得た。 1.固体発酵系である高温好気発酵のサンプルからDNAを抽出する手法を検討した結果、Benzyl Chloride法が回収率および操作の簡便さの観点から最適であった。 2.市販のサラダ油を用いて25日から70日に渡る長期連続油脂分解実験を繰り返し、連続処理系での油脂投入サイクルおよび油脂投入量の最適化を行った結果、最大で6.4kg-lipid/m^3dayの油脂消滅処理速度を達成することができた。 3.最適化した油脂投入条件を実高濃度油脂性廃棄物の長期連続油脂分解実験(80日間)に適用したところ、4種類の実高濃度油脂性廃棄物に対してそれぞれ5.4〜7.9kg-lipid/m^3dayの油脂消滅処理速度を得ることができた。これはCOD換算では活性汚泥法の10倍以上の処理速度であった。さらに炭酸ガスへの転換率が80%以上であったことから、余剰汚泥の生成を最小限に抑えることができたことも確認された。 4.初年度に確立したPCR-DGGE法を利用し、様々なサプリメント添加条件で行った連続処理系における微生物群の動態解析を行ったところ、サプリメント条件とDGGEで得られるDNAバンドパターン間に相関が見られた。最適化されたサプリメント条件で得られるバンドパターンの再現性が特に良いことから、油脂分解処理能が特定のバンドパターンを示す微生物群に依存していることが示唆された。また、適当なサプリメントによって特定の微生物群が優先的に誘導されることが油脂分解速度が高速化されるメカニズムとして浮き彫りになった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K. Nakano, M. Matsumura: "Improvement in the Treatment Efficiency of Thermophilic Oxic Process for Highly Concentrated Lipid Waste by Nutrient Supplementation"Journal of Bioscience and Bioengineering. 92. 532-538 (2001)
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[Publications] K. Nakano, H. Tanaka, M. Matsumura: "Development of Bio-combustion System for Highly Concentrated Fatty Wastes by Thermophilic Oxic Process"Proceeding for First IWA Asia-Pacific Regional Conference. 1. 857-862 (2001)