2000 Fiscal Year Annual Research Report
有機塩素化合物による地下水汚染のバイオレメディエーション効果の予測モデルの開発
Project/Area Number |
12780423
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
惣田 訓 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30322176)
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Keywords | 有機塩素化合物 / バイオレメディエーション / シミュレーション |
Research Abstract |
トリクロロエチレン(TCE)は、水よりも土壌中に浸透しやすく、地下水と異なる挙動を示すので、その水理学的な挙動をモデル化し、汚染濃度と汚染範囲を予測する必要がある。また、TCEは、土壌中の好気性微生物(主にフェノール分解菌、メタン分解菌、アンモニア酸化細菌)が誘導基質(フェノール、メタン、アンモニア)を添加された場合に分泌される分解酵素によって共代謝分解される。よって、TCEの微生物分解を効率化するためには、酸素や誘導基質の最適な添加方法を決定する必要がある。また、土着の微生物の分解能力が低い場合には、遺伝子組換え菌のような外来微生物を導入することも提案されている。実際の地下水の流れは3次元的であるが、本研究では、フェノールを誘導基質とし、地下水の移流方向(1次元)を模擬し、TCEの拡散性や微生物によるTCEの分解を表す数理モデルを構築し、実際のバイオレメディエーションの実施ための基礎的な知見を得ることを目的とする。 フェノールの添加方法や分解微生物を変え、種々の条件における検討を行い、1次元の移流分散方程式における拡散係数と遅延係数を求める。 dC/dt+Vr/R d C/dx=D_L/R C/dx^2-λC(1次元移流分散方程式) C:物質濃度(TCE,フェノール,微生物),t:時間,x:距離,R:遅延係数,v_r:地下水の流速,D_L:分散係数,λ:反応定数 反応定数λは、実際には複雑なパラメーターで構成されており、その検討を行った。供試する微生物は、土壌中の土着細菌および遺伝子組換え菌Escherichia coli HB101/pS10-45を想定した。
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