2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12780441
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田浦 太志 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (00301341)
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Keywords | 大麻 / ポリケタイド / ポリケタイド合成酵素 / olivetolic acid |
Research Abstract |
本年度は大麻ポリケタイド合成酵素のcDNAクローニングおよび機能解明を検討した。まず始めに各種植物のポリケタイド合成酵素に保存されたアミノ酸配列を基にプライマーを作製し、大麻新鮮葉由来cDNAを鋳型としてRT-PCRを行うことにより2種の異なるcDNA断片を得た。これらをpks1およびpks2と命名し、それぞれの塩基配列を基に5´RACE法および3´RACE法を行うことにより両cDNAの全塩基配列を明らかにした。これらのうちpks2は各種植物のchalcone synthaseと極めて高いホモロジーを示したことからchalcone synthaseのcDNAと推定されたが、pks1はカンナビノイド前駆体olivetolic acidの生合成反応と類似した反応を触媒するphlorisovalerophenone synthaseと良く類似した構造であることが明らかとなり、目的とするolivetolic acid synthaseのcDNAである可能性が考えられた。そこで各クローンの機能を解明するため、各cDNAを発現ベクターpET24に組み込み、大腸菌に導入した後、組み換え酵素の発現誘導を行い、それらの活性を測定した。この結果、組み換えPKS2は予想した通りchalcone synthase活性を示したが、組み換えPKS1はolivetolic acidを極めて微量しか合成せず、その脱炭酸体であるolivetolを主生成物として合成することが判明した。現在、PKS1が予想と反する活性を示した理由について種々の検討を行っている。
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