2000 Fiscal Year Annual Research Report
分泌蛋白質膜透過反応に関する膜内在性新因子の精製と機能解析
Project/Area Number |
12780448
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西山 賢一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (80291334)
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Keywords | 蛋白質膜透過 / 分泌 / 大腸菌 / SecY / SecE / SecA / 再構成 / 膜内在性蛋白質 |
Research Abstract |
大腸菌の分泌蛋白質のほとんどが、Sec因子(現在7種が知られている)により構成される膜透過装置を介して細胞質膜を透過する。これらのSec因子はすべて精製され、精製Sec因子のみから膜透過活性を再構成することができるが、その膜透過活性はもとの反転膜小胞の活性の1/10から1/100という低い活性にすぎない。これらのことから、未知のSec因子の存在が示唆されていた。申請者は、以前、SecGを発見・同定する過程で、膜透過促進活性を持つ7kDaの因子の存在を確認している。今回この新因子の機能を明らかにするために、新因子の精製を行った。精製条件を検討した結果、膜画分をオクチルグルコシドで可溶化し、TCA処理を行い、可溶性画分を得、アセトン濃縮後、DMSO、アセトンで抽出することにより、約70%の純度の7kDa精製標品が得られることが明らかとなった。さらにSDS-PAGEによる精製を行った結果、銀染色で単一のバンドとして新因子が精製できた。この精製新因子はSecAEYから再構成される膜透過の促進活性を保持していた。約500mg(蛋白質として)の膜小胞から約10μgの新因子が得られた。新因子のN末端アミノ酸配列を試みたが、N末端配列は決定できなかった。このことは、新因子のN末端が修飾されていることを強く示唆している。今後は新因子の限定分解産物から部分アミノ酸配列を決定し、新因子の機能解析を進める。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nishiyama,K.: "Role of the non-essential region encompassing the N-terminal two transmembrane stretches of SecE"Biosci.Biotechnol.Biochem.. 64. 2121-2127 (2000)
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[Publications] Nagamori,S.: "Two SecG molecules exist in a single protein translocation machinery and undergo membrane topology inversion even after crosslinking"J.Biochem.. 128. 129-137 (2000)
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[Publications] 西山賢一: "大腸菌における分泌蛋白質の膜透過分子機構-膜透過を駆動するSecA-SecGの構造変化-"生化学. 72. 1383-1397 (2000)